【日産 セレナ 発売】快適性能の深掘り…吸音・遮音、エンジン音、車酔い、加減速

日産 セレナ 新型
日産 セレナ 新型全 10 枚

日産自動車が4月20日に発売を開始したミッドサイズミニバン『セレナe-POWER』。セレナシリーズのコンセプトは「家族との大切な時間を思い切り楽しむことが出来るミニバン」というもの。そのカギを握るのは快適性だ。

電動パワートレインのe-POWERモデルはとくに顧客の快適性に対する要求水準が高いことから、更なる深掘りがなされた格好だ。

吸音材の配置箇所は床下のほぼ全面を覆うくらいに拡張され、厚みもアップ。窓ガラスはフロントおよびAピラーに仕込まれたシースルーウインドウについては全車、吸音層を挟みこんだ遮音ガラス。最上級グレードのルキシオンはフロントドアガラスも遮音タイプが奢られている。

e-POWERはエンジンを発電のみに用いるシリーズハイブリッドだが、ロードノイズが高いことを検知したときに積極的に発電を行い、ロードノイズが静かな時にエンジンを停める制御も組み込まれている。シリーズハイブリッドシステム自体、新エンジンをはじめ騒音低減がなされている新世代品であり、それとの相乗効果で車内におけるファミリーの会話を阻害しないだけの静粛性を実現させたという。

クルマ酔いのしにくさも新型セレナのセールスポイントで、2列目、3列目のパセンジャーもより遠方に目線をやるような視界づくりや加減速Gの振れの削減による頭の揺れ防止などによって酔いを削減させたという。

e-POWERは電気モーター駆動なので、とくに加減速Gの振れによる酔いやすさについては元々それほど大きな問題にならないかと思いきや、加速時の微妙なGの波つきやワンペダルでの減速Gの立ち上がりなど、雑味を取り切るよう制御をブラッシュアップさせたとのこと。

電気モーターの加速Gを本当にリニアなものにするにはフィードフォワード(先読み)制御に関して相当の知見を必要とする。純電動パワートレインの生産台数に関しては日本メーカーの中でトップを独走する日産だけに、得意分野で他社との差別化を図ってきた格好だが、売り文句ほどの効果が体感できるか、ディーラー試乗やカーシェア利用などでぜひお試しいただきたいところだ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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