自責的または他責的過ぎるから発達する技術?「ライティング・エブリウェア」で車も周囲も変わる…人とくるまのテクノロジー展2023

電動化、自動運転車両に向けたインテリジェントなフロントマスクのコンセプト
電動化、自動運転車両に向けたインテリジェントなフロントマスクのコンセプト全 16 枚

2017年に仏ヴァレオグループの子会社となった市光工業が、「人とくるまのテクノロジー展2023」に出展し、電動化・自動運転化の時代に向けて先行開発されたライティング・テクノロジーを披露した。市光工業は、親会社のヴァレオが「モビリティ革命から価値創造へ」として掲げる戦略の4本柱の1本、「ライティング・エブリウェア」を担い、記者会見を行った。デザインや運転体験といった、ドライバーや乗員側の話だけでなく、周囲にも大きな影響を及ぼしそうな技術だ。

フロントマスク&リアフェイスをインテリジェント化

具体的にひとつ目は、電動化ならびに自動運転車両に向けたインテリジェントなフロントマスク&リアフェイスのコンセプトだ。ICE車両と異なり、電動化によってラジエーター冷却という機能が減ったフロントグリルには、空力特性に優れたフロントパネルが備わり、LEDライトやマトリックスランプによるフロントマスクのシグネチャー化など、大きな過渡期にある。市光工業のコンセプトは、グリルからバンパーにまで及ぶフロントマスクをインテリジェント化することで、意匠性による差別化だけでなく、他車や歩行者、自転車といった道路利用者との円滑なコミュニケ―ションを促進。ドライバーの視界を改善し、より安全で円滑な交通社会へ寄与する、そんな提案だ。

グリルとバンパーを面で、広範囲に光らせることによって、薄型のヘッドランプや長尺のウインカーを組み合わせることもできれば、車両の動きや危険を周囲に知らせるインジケーターの役割も果たせる。マイクロLEDを用いたディスプレイにより、電気自動車のバッテリー充電状況を表示したり、メッセージも表示できる。要は「照らす」以外の機能、「知らせる」機能が、大幅に拡張されたライティングが可能となる。ドライバーの側から車外へ、ウインカ―やハザードランプ、ハイ/ロービームの切り替え含むパッシングという限られた手段から、より自律的に責任ある発信ができるようになる。


《南陽一浩》

南陽一浩

南陽一浩|モータージャーナリスト 1971年生まれ、静岡県出身。大学卒業後、出版社勤務を経て、フリーランスのライターに。2001年より渡仏し、パリを拠点に自動車・時計・服飾等の分野で日仏の男性誌や専門誌へ寄稿。現在は活動の場を日本に移し、一般誌から自動車専門誌、ウェブサイトなどで活躍している。

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