ルマン24時間レースに水素エンジン車の参戦が可能に、2026年から水素カテゴリーを設定

トヨタ自動車の佐藤恒治社長、マツダの毛籠勝弘次期社長、スーパー耐久機構(STO)の桑山晴美事務局長、ACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長
トヨタ自動車の佐藤恒治社長、マツダの毛籠勝弘次期社長、スーパー耐久機構(STO)の桑山晴美事務局長、ACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長全 11 枚

5月26日、「ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 第2戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」が開催されている富士スピードウェイにおいて、トヨタ自動車の佐藤恒治社長、マツダの毛籠勝弘次期社長、スーパー耐久機構(STO)の桑山晴美事務局長、ルマン24時間耐久レースを主催するACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長による記者会見が行われた。

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◆ルマン主催のACO会長が来日

2週間後の6月11日にサルトサーキットでの開催を控えたルマン24時間レースは、今年で100周年を迎える。フィヨン会長は多くの革新的技術がルマンで試され、それが量産車への開発につながり何百万人のドライバーに利用されているとし、「ルマン24時間レースの物語を作る手助けをしてくれた」とトヨタとマツダのこれまでの功績を称えた。

トヨタは1985年に初参戦し、2012年からはハイブリッドでの挑戦を続けている。マツダは1974年に初参戦し、1991年にはロータリーエンジンの『787B』で日本メーカーとして初の総合優勝を果たした。言うまでもなく24時間耐久レースは過酷な場だ。佐藤氏は「人もクルマも鍛えてくれる重要な場所。ルマンでの悔しい経験があったからこそ、その後の挑戦が続いている」とし、毛籠氏は「ルマンでのチャレンジで培った“飽くなき挑戦”は、全社員の共創の源になっており今日のマツダを支えている」と語る。

◆水素エコシステムが進化

今回のスーパー耐久第2戦では、トヨタ「#32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept」(水素エンジンカローラ)が世界で初めて液体水素を使用しレースに参戦。フィヨン会長は同車のエントリーを祝すると共に、2018年からスタートした「ミッションH24プログラム」というルマン24時間レースにおいて水素エネルギー車の導入を目指す取り組みについて触れた。

「プログラムの立ち上げ以来、水素エコシステムは大幅な進化を遂げている。私達は当初その大きなポテンシャルから燃料電池を選んだ。それは今でも正しい選択であったと信じている。現在、水素内燃機関もその可能性の一つとして提示されている。ルマン24時間レースのレギュレーションは自由と多様性を提唱してきた。ルマンの水素クラスに参戦を希望するメーカーには燃料電池車と水素内燃機関両方の技術を公認することをここに公式に発表する」

◆ハイパーカーと戦う水素エネルギー車

2026年のルマン24時間では水素カテゴリが設けられ、ハイパーカークラスと同等の土俵で勝敗を争うことになるという。そして、燃料電池車だけでなく、水素エンジン車の参戦も可能になる。また、2030年にはトップカテゴリの参戦車が全て水素エネルギー車になることを目指しているとも述べた。

佐藤氏は、突然の発表に驚いた様子を見せながらも「我々も水素エンジンに取り組んでいるということは申し上げてきたし、フィヨン会長は水素エンジンの魅力、課題を現地現物を通して理解してこられたということ。今日このような発表をいただいたことは、非常に大きな意味を持つと思うし、前向きに受け止めている」と話した。

なお、ルマン100周年記念レースに合わせ現地では、トヨタ、マツダ、日本政府観光局の共催でテーマ展示「Japan. Endless Discovery.」が行われる。トヨタ、マツダのルマンにおける挑戦の歴史や脱酸素に向けた多様な技術が紹介される。また、両社の歴代優勝車がルマンミュージアムに展示され、デモランも開催される予定だ。

《吉田 瑶子》

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