音が良い「サブウーファー」は、どんなタイプ?…キーワードから読み解くカーオーディオ

「パワードサブウーファー」の搭載例(カロッツェリア・TS-WH1000A)。
「パワードサブウーファー」の搭載例(カロッツェリア・TS-WH1000A)。全 3 枚

サウンドアイテムに関連した専門用語の意味を1つ1つ解説しながら、カーオーディオの面白さや奥深さを紐解こうと試みている当連載。前回からは新章に突入し、「サブウーファー」について掘り下げている。今回は、これには“タイプ違い”があることを説明していく。

タイプ違いは大きく3つ。導入のハードルが低いのは「パワードサブウーファー」!

カー用の「サブウーファー」には、“タイプ違い”が大きく3つある。「パワードサブウーファー」、「ボックスサブウーファー」、「ユニットサブウーファー」、これらだ。

それぞれがどのようなものなのかを説明していこう。まず「パワードサブウーファー」とは、「サブウーファーユニット」と「パワーアンプ」と「ボックス」、この3つが一体化したもののことを指す。「サブウーファー」を鳴らすためにはこの3つが絶対的に必要で、これはそれらがコンプリートされているので、導入のハードルがもっとも低い。

ところで「サブウーファーユニット」が必要であることは当然として、「ボックス」と「パワーアンプ」とがなぜに必要なのかも説明しておこう。

まず、「ボックス」が必要である理由はズバリ、「裏側の音を閉じ込めるため」だ。さて、裏側の音を閉じ込めなければいけないのはなぜなのかというと…。

まずスピーカーの振動板は、表側からも裏側からも音を発する。振動板は動くことで空気を震わせて音を伝えるが、その営みは裏側でも行われている。

なお、表側から放たれる音と裏側から放たれる音は耳で聴く分には同じ音だが、音波としては真逆の関係にある。表と裏では振動板の動き方が真逆だからだ。表側から見て振動板が前に出ているとき、それを裏側から見ると振動板は奥に引っ込んでいる。ゆえに、正反対の波形となるのだ。

「パワードサブウーファー」の一例(フォーカル・Ibus 20)。「パワードサブウーファー」の一例(フォーカル・Ibus 20)。

「ボックス」は、音の“打ち消し合い”を防ぐために絶対的に必要!

で、もしも「ボックス」がないと、表側の音と裏側の音とが同一空間で交わってしまうのだが、そうするとやっかいな問題が引き起こされる。耳で聴く分には同じ音なのに音波としては真逆の関係にある音同士が同一空間で交わると、お互いを打ち消し合ってしまうのだ。「ボックス」は裏側の音を閉じ込めることで、この打ち消し合いを起こらなくしている、というわけなのだ。

続いては「パワーアンプ」が必要となる理由を説明しよう。どんな「スピーカー」であれ、音を出すには何らかのパワーアンプ」が必要となるが、「フロントスピーカー」は「メインユニット」の「内蔵パワーアンプ」でも鳴らせる。しかし「サブウーファー」は振動板が大きく、鳴らすのに大きな力が要るので「内蔵パワーアンプ」では鳴らせない。「内蔵パワーアンプ」にはそこまでの力がないからだ。なので別途「外部パワーアンプ」が必要となるのだ。

かくして「サブウーファー」を鳴らすには「ボックス」と「パワーアンプ」とが必要で、「パワードサブウーファー」なら必要なものがすべて揃っている。結果、より手軽に重低音を楽しめる。

次いで「ボックスサブウーファー」について説明していこう。これは、「サブウーファーユニット」と「ボックス」とが一体化したものだ。しかし「パワーアンプ」は一体化されていない。その分導入のハードルは上がる。しかし好きな「パワーアンプ」を選べる。ここは利点だ。

「ボックスサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WX3030)。「ボックスサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WX3030)。

「パワードサブウーファー」は、“小型・薄型”が主流!?

ところで「ボックスサブウーファー」は基本的に、ボックスがある程度大きい。なのでこれはトランクに置かれる場合がほとんどだ。対して「パワードサブウーファー」の中には“小型・薄型”のモデルが多くある。そしてそうであればシート下へのインストールも可能だ。

なお「パワードサブウーファー」の中にも、「ボックス」がある程度大きい製品もいくつかある。なのでそれらはむしろ、「ボックスサブウーファー」の仲間と捉えた方が、選びやすくなる。つまり、シート下に積みたかったら「小型・薄型のパワードサブウーファー」に狙いを定め、音の迫力を優先するなら「ボックスタイプ」をターゲットにする。そしてその後に「アンプ一体型」か「非一体型」かを考えれば良い。

さてもう1つの「ユニットサブウーファー」についても説明しよう。これは「サブウーファーユニット」が単体で売られているものだ。なのでこれをチョイスする場合には、「ボックス」と「パワーアンプ」とを別途用意しなくてはならず、結果これがもっとも導入のハードルが高くなる。しかし、鳴り方を自らプロデュースできる。どんな「ボックス」と「パワーアンプ」を組み合わせるかでサウンドが変わってくるからだ。ゆえにマニアの多くは敢えてこれを選んでいる。

今回は以上だ。次回以降も「サブウーファー」に関するワードの解説を続行する。お楽しみに。

《太田祥三》

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