【RAV4 vs エクストレイル vs フォレスター 比較】人気の国産SUV 3車種の魅力を探る!

RAV4 vs エクストレイル vs フォレスター
RAV4 vs エクストレイル vs フォレスター全 38 枚

近年、世界的に人気を集めているSUV。今回は国産SUV3台をピックアップして徹底比較し、その魅力を探っていく。紹介するのはトヨタ『RAV4』、日産『エクストレイル』、スバル『フォレスター』の3台だ。

【画像全38枚】

◆比較する車種のプロフィール

トヨタ RAV4 最低地上高190~200mm
日産 エクストレイル 最低地上高185~200mm
スバル フォレスター 最低地上高220mm

RAV4、エクストレイル、フォレスターの3車は、前輪駆動ベースのシティ派SUVだ。しかし外観やクルマの性格は、後輪駆動をベースにした悪路向けのSUVに近い。最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は、RAV4が190~200mm、エクストレイルは185~200mm、フォレスターは220mmと余裕があり、悪路のデコボコを乗り越えやすい。グレード構成も4WDが主力で、フォレスターには2WDが用意されない。

◆外観デザイン&ボディサイズ比較

トヨタ RAV4 全長4610mm/全幅1865mm
日産 エクストレイル 全長4640mm/全幅1820mm
スバル フォレスター 全長4640mm/全幅1815mm

フロントマスクなどは、いずれも野性的な印象だ。特にRAV4は、ハリアーと基本部分を共通化してサイズも近いため、個性化を図るために野性的な印象を一層強めた。

ボディサイズを推奨グレードで見ると、RAV4は全長が4610mmで全幅は1865mmになる。エクストレイルは4640mm・1820mm、フォレスターは4640mm・1815mmだから、各車とも数値が似ている。

◆インテリア&居住性比較

トヨタ RAV4 インテリア
日産 エクストレイル インテリア
スバル フォレスター インテリア

インパネなどの内装は、各車ともに機能的だ。ATレバーの使い勝手も馴染みやすく、メーターの視認性やスイッチの操作性を優先させた上で、質感にも配慮した。RAV4は囲まれ感やスポーティ感覚が少し強く、エクストレイルには開放感もある。フォレスターはオーソドックスな印象で、誰にでも扱いやすい。

居住空間の広さも同等だ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間をチェックすると、3車ともに握りコブシ2つ半の余裕がある。これだけ広ければ、4名乗車による長距離の移動も快適だ。

エクストレイルのX・e-4ORCEは、荷室に3列目の補助席を装着した仕様も用意する。3列目は、床と座面の間隔が不足して、腰が落ち込み膝は持ち上がる。ミニバンと違って窮屈だが、片道15分程度の距離なら、大人の多人数乗車も可能だ。

◆荷室などの使い勝手比較

トヨタ RAV4 ラゲッジルーム
日産 エクストレイル ラゲッジルーム
スバル フォレスター ラゲッジルーム

3車ともに実用指向のSUVで、ボディサイズの割に荷室容量に余裕を持たせた。後席を使っている時の荷室容量は、RAV4が580L、エクストレイルは575L、フォレスターが520Lとされる。RAV4とエクストレイルには余裕がある。
 リヤゲートの角度は3車ともに立ち気味だから、背の高い荷物も収納しやすい。SUVらしさが濃厚で、実用性を高めた。

◆運転のしやすさ比較

トヨタ RAV4
日産 エクストレイル
スバル フォレスター

いずれの車種もボディスタイルが水平基調で、前後左右ともに視界が良い。特にフォレスターは、ボディ後端のピラー(柱)も細めで、後方も見やすい。小回りの利きも良いから、縦列駐車もしやすい。

最小回転半径を推奨グレードで比べると、RAV4が5.7m、エクストレイルとフォレスターは両車ともに5.4mに収まる。

◆走行性能&乗り心地比較

トヨタ RAV4 エンジンルーム
日産 エクストレイル エンジンルーム
スバル フォレスター エンジンルーム

RAV4の推奨グレードは直列4気筒2Lのノーマルエンジンを搭載する4WDのアドベンチャーだ。排気量は車両重量の割に小さいが、ポート噴射と筒内噴射の機能を併せ持ち、実用回転域の駆動力も高いから運転しやすい。

RAV4のアドベンチャーには、後輪左右の駆動力配分を積極的に変化させるダイナミックトルクベクタリングAWDが搭載され、悪路から峠道まで旋回軌跡を拡大させにくい。ボディサイズの割に良く曲がり、乗り心地は少し硬いが粗さは抑えた。

エクストレイルの推奨グレードはX・e-4ORCEだ。パワーユニットはハイブリッドのe-POWERで、発電用の直列3気筒1.5Lエンジンには、圧縮比の可変機能が備わりターボも装着する。凝ったエンジンで発電する仕組みだ。e-POWERはモーター駆動だから、アクセル操作に対して機敏に反応する。エンジン回転もアクセル操作に同期しており、一般的なガソリンエンジンに当てはめると、3Lクラスの動力性能と受け取られる。

後輪をモーターで駆動する4WDの採用で、前後輪の駆動力配分も巧みに行う。峠道でも良く曲がり、乗り心地は少し硬いが違和感は抑えた。乗り心地に不満を感じた時は、オーテック・X・e-4ORCEも試す。タイヤサイズは20インチ(255/45R20)に拡大されるが、銘柄がミシュラン・プレマシー4になり、グリップ性能の向上と併せて乗り心地もマイルドになる。

フォレスターは水平対向4気筒1.8Lターボを搭載するスポーツが注目される。実用回転域の駆動力が高く、WLTCモード燃費も13.6km/Lと良好だ。マイルドハイブリッドのe-BOXERが14.0km/Lだから、1.8Lターボは3Lエンジンに匹敵する動力性能を確保しながら、WLTCモード燃費は0.4km/Lしか悪化しない。最低地上高は220mmと高めで悪路のデコボコを乗り越えやすく、床は低めに抑えたから重心も下がった。従って走行安定性も良好だ。

◆おすすめユーザー

RAV4は悪路向けSUVの雰囲気が濃厚で、アクティブな雰囲気を好むユーザーにピッタリだ。

エクストレイルは、圧縮比を変化させるターボエンジンで発電を行う贅沢さが魅力だ。スポーティな運転を楽しみたいユーザーにも適する。

フォレスターは内外装のデザインがオーソドックスだが、操作性や視界が良い。床も低めで乗り降りもしやすい。ファミリーユーザーに最適で、初心者ドライバーも運転しやすい。

◆おすすめグレード

駆動方式はすべて4WD
RAV4:2.0アドベンチャー(368万4000円)
エクストレイル:X・e-4ORCE(404万9100円)
フォレスター:スポーツ(335万5000円)

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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