地域住民と来訪者が快適に移動できる社会へ…「鎌倉ワーケーションWEEK」【MaaSがもたらす都市変革】

江ノ電の車両
江ノ電の車両全 5 枚

かつて源頼朝によって武家政権が置かれ、100年あまりにわたり日本の政治の中心地になった鎌倉。材木座や由比ヶ浜などの海水浴場も有名であり、関東地方を代表する観光地のひとつとして知られているが、一方で東京都心から50km圏内にあり、約17万人の人が暮らす。首都圏の都市のひとつでもある。

◆ヤマハも参加した「鎌倉ワーケーションWEEK」

人気の飲食店などが建ち並ぶこの「小町通り」をはじめ鎌倉市は多くの観光名所を擁する

今回はまず、この地で2021年から年2回開催されている、「鎌倉ワーケーションWEEK」を取り上げる。最初に紹介したように、名所旧跡を多く擁し、マリンスポーツも盛んでありながら、東京への通勤圏内でもある鎌倉は、多彩な趣味を持ち、ライフスタイルを大切にする人たちが多く、この地で起業するケースも少なくない。

このイベントは、そんな鎌倉という土地の特性を反映したもの。ウェルビーイングな社会の実現に向けて企業や個人が枠を超えてつながり、サスティナブルな行動やあり方を学びながら、次世代の働き方を共に実践する場として企画された。

5月28日から6月2日にかけて行われた2023年春の回では、市内11か所の寺院や宿泊施設などをワークスペースとして用意し、日蓮宗・瞑想体験、パラサーフィンのサポート体験、リラグゼーション音瞑想など、26ものプログラムが行われた。

その中にはモビリティ関連の催しとして、ヤマハ発動機が主催する「鎌倉ワーケーションで自己を整えて考える~ウェルビーイングな人中心のまちづくりとモビリティ~」があった。

ヤマハというとモーターサイクルやボートのイメージが強いが、同社では地域が抱えるさまざまな社会課題を解決するべく、モビリティを活かしたまちづくりプロジェクト「Town eMotion(タウンイモーション)」を立ち上げており、東京都世田谷区や茨城県つくば市など、全国各地で活動を続けている。

Town eMotion

鎌倉でも昨年夏から秋にかけて、Town eMotionの活動拠点として「ひとまちラボ鎌倉」を開設した経緯を持つ。今回の鎌倉ワーケーションWEEKでのプログラムは、それに続くものだった。

このミーティングに、鎌倉ワーケーションWEEKの運営にも携わる、コワーキングスペース「ThinkSpace鎌倉」主宰の岩濱サラさん、Town eMotionを展開するヤマハ発動機クリエイティブ本部フロンティアデザイン部の榊原瑞穂さんとともに筆者も参加し、ウェルビーイングというテーマに対するモビリティの取り組みを紹介しながら、参加した方々と意見交換をする機会に恵まれたので、当日の模様を紹介したい。

◆モビリティが地域問題に対して出来ること

鎌倉市内を走る、細く見通しの悪い路地

筆者はかつて、鎌倉市の北隣の横浜市や、西隣の藤沢市に住んでいたことがある。とりわけ藤沢の自宅は鎌倉寄りにあったので、鎌倉には何度も出かけた。なので夏場の海沿いの国道134号線の大渋滞や、江ノ電(江ノ島電鉄)の電車の積み残しが出るほどの大混雑など、モビリティの課題もある程度把握していた。

そこでこの日は、欧州のウォーカブルシティやフランスの首都パリの「15分都市宣言」、鎌倉の姉妹都市でもある南仏ニースなどを紹介しつつ、鎌倉のモビリティにも触れた。


《森口将之》

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