商用電動車を使ったエネルギーマネジメントシステム…経産省が研究を開始

ヤマトグループが導入した、超低床・ウォークスルーの小型商用BEVトラック、日野デュトロZEV
ヤマトグループが導入した、超低床・ウォークスルーの小型商用BEVトラック、日野デュトロZEV全 2 枚

経済産業省は、商用電動車の車両の走行データなどを「見える化」し、運行管理と一体的なエネルギーマネジメントシステムを検討するとともに、それを支えるシミュレーション技術を研究開発するための実証を開始した。

商用電動車の走行データを活用した運行管理と一体的なエネルギーマネジメント技術を開発するためには、まずは開発に用いる車両・走行データの取集が必要。今回、グリーンイノベーション基金を活用して実証のための商用電動車を事業者が導入した。

今後、これら電動商用車を運用し、車両・走行データの収集を進めることで、運行管理と一体的なエネルギーマネジメントシステムとシミュレーション技術の研究開発・実証を実施する。電動商用車の導入は順次、拡大していく。

●CJPTは福島と東京で燃料電池小型トラックを運用

プロジェクトの1つであるトヨタ自動車やいすゞ自動車が出資するコマーシャル・ジャパン・パ-トナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)の参画コンソーシアムは、福島県内で2月から順次、東京都内で4月から順次、燃料電池小型トラックによる実証を開始した。今後、水素充填タイミングと配送計画を一体としてマネジメントし、水素充填によるダウンタイムも考慮した効率的な運行を目指す。

●大阪メトロは電気バスを万博に投入へ

また、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)は7月から順次、電気バスによる実証を開始する。導入車両は、大阪・関西万博における会場内外の輸送にも活用される。計100台の導入車両のうち、約10台を自動運転化し、自動運転レベル4(条件付き完全自動運転)での運行を目指す。車両は全て社EVモーターズ・ジャパン製となる。

●ヤマト運輸はカートリッジ式バッテリーのトラック輸送

さらにヤマト運輸は6月に、群馬県と締結した「カーボンニュートラル実現に向けた共創に関する連携協定」に基づき、群馬県内における電気自動車導入・運用、エネルギーマネジメントに向けた取り組みを推進する。プロジェクトでは、カートリッジ式バッテリーのトラック輸送によるエネルギーマネジメント実証を計画する。

商用車は稼働率が高くエネルギー消費量も多いため、航続距離が短く、充電時間のかかる既存の電動車では必要な稼働率を維持できず、乗用車と比較しても電動化が遅れている。

プロジェクトは、運輸部門のカーボンニュートラル実現に向け、シミュレーション技術を活用し、商用電動車の車両・走行データを活用した運行管理と一体的なエネルギーマネジメント技術を開発することを目的とする。これによって社会全体および個別運輸事業者におけるエネルギー利用・運行管理などの最適化を実現するスマートモビリティ社会の構築を目指す。

《レスポンス編集部》

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 2人乗りの特別なトヨタ『シエンタ』登場に「日本一周したい」「こういうの欲しかったんだよ」など反響
  2. そのホイール、何年使ってる? 知られざるアルミホイールの寿命と見極め術~カスタムHOW TO~
  3. ファン必見!『ミニGSX-R』は1000台注文あれば販売される!?「鈴鹿8耐」最注目の“スズキの隠し球”
  4. 内装はまるで「地中海のヨット」! VWが新型キャンピングカー『グランドカリフォルニア』発表へ
  5. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る