車載向け光ファイバーや準ミリ波レーダーを出展、「安全・安心な移動」を目指す古河電工…人とくるまのテクノロジー展2023名古屋

古河電工ブース(人とくるまのテクノロジー展2023名古屋)
古河電工ブース(人とくるまのテクノロジー展2023名古屋)全 14 枚

古河電工は7月5~7日の3日間、Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)において開催された「人とくるまのテクノロジー展2023名古屋」に出展し、「環境ビジョン2050」に基づくカーボンニュートラルの実現を進めると共に、様々な社会課題解決に貢献する取り組みを紹介した。

ブースでは、「エネルギー問題」「資源循環社会」「安全・安心な移動」の3つのテーマに分け、同社が目指す持続可能な社会基盤の構築に貢献する取り組みを披露していた。その中から「安全・安心な移動」の分野として展示された、「車載光通信」「結露防止剤ドライキーパー」「車載周辺監視レーダー」を紹介したい。

電源線を一括配線した車載向け光ファイバー

「車載光通信」は、光ファイバー・電源線一括配線ハーネスにより、電磁ノイズの影響がない光通信の特長を活かした活用事例を紹介した。

現在の車載ネットワークは安価な“より対線”(よりついせん、ツイストペアケーブル)を用いた電気ネットワークが主流だが、高度自動運転時代を迎えるに当たり、4Kカメラなど複数台数用いた高精度センシングが当たり前になってくると、一段と高速化された大容量車載ネットワークが欠かせなくなる。

そうした時代に対応すべく古河電工では、光ファイバーと大電流を流せる電源線を一括配線するハーネスの開発を進めている。会場には電源線と一括配線した車載用光ファイバーを出展。各ECUに電力を供給しながらより大容量な伝送が可能になる車載ネットワークを紹介した。

電源線も一括配線して軽量化にも貢献する車載向け光ファイバー

光ファイバーの伝送速度は10Gbps以上もあり、しかもハーネスの低コスト化が可能で“より対線”と比べても大幅な軽量化にもつながるメリットがある。とはいえ、光ファイバーを受け入れるECU側でのコストアップが想定されるため、トータルコストは“より線”を使った現状と同程度。また、コネクタなど光ファイバーを取り巻く車載仕様の開発も急がれる。

そういった状況下で光ファイバーは進むのか。担当者は「軽量化は重量が増えがちなBEVにとって避けて通れない問題であるし、自動運転の実用化でより高速で大容量の光ファイバー伝送システムは必須になる」とし、2026年頃にはOEMに提案し、30年頃には実用化を目指したいと話していた。

効果は最大10年! 無電源で結露を防止する「ドライキーパー」

素材・構造の特性を活かして結露を長期間にわたって、無電源で防止するのが「ドライキーパー」だ。合成ゴムに高吸水性ポリマ-を配合したノンハロゲンで環境に優しい吸湿シートとしており、一般的な吸湿材であるシリカゲルよりも遥かに多量の水分を吸収することができるという。最大の特徴は、湿気がある時は水分を吸収し、湿気がない時は浸透圧によって取り込んだ水分を外部に吐き出す仕組みとなっていることだ。これにより、保証ではないものの最大で10年もの長期管理を可能とした。


《会田肇》

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