九州北部で大雨…トヨタは3工場、ブリヂストンも生産一時停止[新聞ウォッチ]

プリヂストン久留米工場(参考)
プリヂストン久留米工場(参考)全 2 枚

栃木県佐野市では最高気温38.3度を観測。東京都心も36.5度まで上がり、梅雨明け前ながら夏本番のようなうだる暑さの関東地方。熱中症が気になるその地域に住んでいる人にはどうも実感がわかないが、九州北部の福岡、大分、佐賀の3県では、短時間に大雨をもたらす線状降水帯が発生し、各地で大規模な土石流の被害などが起き、3県で4人が死亡、3人が行方不明になっているという。

きょうの各紙にも「九州北部で記録的な大雨、4人死亡3人不明」などと、毎日、産経が1面トップ、読売、朝日も準トップで大きく報じている。

それによると、7月6日の降り始めから10日午後5時までの雨量は、福岡県添田町で603.5ミリ、佐賀県鳥栖市で490.5ミリを観測。24時間雨量の日最大値(10日午後6時現在)では添田町で423.0ミリ、福岡県久留米市で402.5ミリと、それぞれ観測史上最高を更新したそうだ。

◆ブリヂストンは4工場で稼働を停止

九州北部を襲った記録的な大雨で企業の生産活動にも影響。このうち、九州に生産拠点があるブリヂストンでは、乗用車用などのタイヤを生産する久留米工場(福岡県久留米市)と甘木工場(同県朝倉市)、鳥栖工場(佐賀県鳥栖市)のほか、タイヤの部材を製造する佐賀工場(同県上峰町)4工場で終日稼働を取りやめた。出社が困難な従業員は自宅待機としたそうだ。

また、トヨタ自動車九州でも、大雨の影響により福岡県の宮田工場(宮若市)、苅田工場(苅田町)、小倉工場(北九州市)で、10日午後4時から11日午前0時40分までの「二直」の稼働を止めたと発表。11日早朝からは通常の生産体制に戻す予定だという。

◆自然災害へのリスク管理

記録的な大雨による生産活動の影響と言えば、被害が甚大だった2018年7月の西日本豪雨災害を思い出す。当時、マツダでは、この6月末で社長を退任した丸本明氏が、新社長に就任しばかりで、広島の本社工場などの操業を一時停止。限られた時間の中で被災された地域や取引先への支援活動をどうするべきかなどの基本的な考え方を示さなければならず、就任早々に大きな試練に直面した。先日の退任の会見時でも「(5年間の在任中で)そのことが一番つらかった」と振り返っていたほどだった。

「天災は忘れたころにやってくる」というのは昔の話で、近年は地震や豪雨などが頻繁に発生しており、自然災害へのリスク管理も経営上の最重要課題のひとつにもなっているようだ。

2023年7月11日付

●日UAE、脱炭素協力、次世代エネ製造技術(読売・1面)

●水素車普及「重点地域」東京・愛知・福島有力、民間投資促す、経産省選定へ(読売・2面)

●中国車団体「過剰値下げ抑制」撤回、消費者反発「お墨付き」わずか2日(読売・7面)

●九州北部記録的な大雨、4人死亡3人不明(毎日・1面)

●九州北部大雨、ブリヂストン生産一時停止、福岡・佐賀4工場、トヨタは3工場(毎日・27面)

●外環道工事差し止め棄却、最高裁、陥没区間のみ中止確定(東京・2面)

●企業倒産5年ぶり高水準、上半期前年比32%増の4042件(東京・3面)

●Opinion、「アジャイル」な半導体とEV(日経・7面)

点火プラグなど2事業、デンソーが売却へ、日本特殊陶業に(日経・15面)

●トヨタ、サステナ債2100億円、EV会は・脱炭素に、2年ぶりドル建て(日経・16面)

《福田俊之》

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