自動車技術会が主催する「自動運転AIチャレンジ事務局」は、Aich Sky Expo(愛知県常滑市)で7月5日~7日に開催された「人とくるまのテクノロジー展2023名古屋」に出展し、自動運転AIチャレンジ競技に参加してきた自動運転車両を、デモを交えながら披露した。
自動車業界は今、“100年に一度の大変革期”としてCASE、MaaSと呼ばれる新たな技術領域において急速な発展が予想されている。そんな時代の自動車業界を牽引する技術者の発掘育成のための新たな取り組みとして、自動車技術会が進めているのが「自動運転AIチャレンジ競技」だ。
2021年度までは年1回の大会で実施されたが、2022年度より「インテグレーション」大会及び「シミュレーション」大会の年2回開催に発展。「インテグレーション」では自動走行モビリティに開発したプログラムを搭載させる走行競技まで行い、両大会合わせて、コンピューターサイエンス、AI、ソフトウェアや情報処理に関わる技術者・研究者・学生等のチャレンジの場、また学習及機会を提供し、有機的な繋がりを実現する場としての発展を目指す。
その中で「人とくるまのテクノロジー展2023名古屋」に出展したのは、名古屋大学(TMI)とアイサンテクノロジーの2社だ。
ティアフォーのオープンソース「Autoware」を組み込んだ『C+pod』を出展
TMIは文部科学省が推進する大学院改革プログラム「卓越大学院プログラム」の一環として、移動イノベーションをテーマとする国内唯一の5年一貫博士課程大学院プログラム。現在、6研究科から多彩な専門性を有する学生を受け入れている。そのビジョンには「ヒューマンセントレックな視点から、未来のモビリティ社会を拓く」を掲げ、人間中心の視点から学際的な研究・実証を推進し、「クルマ」や「モビリティサービス」「モビリティ社会」におけるそれぞれの革新性を追求している。
今回出展したのは、自動運転プログラムを組み込んだトヨタの『C+pod』(シーポッド)。本来は公道を走行できる車両であったが、これにティアフォーのオープンソース「Autoware」を搭載して実証実験に臨んでいる。地図は「Lanelet2」で作成し、2022年から学生自身がセンサー選定や車両デザイン、システムの開発・実験までを担当。参加した学生によれば、速度は最高15km/hを上限として大学構内に限定して走行実験を繰り返しているという。
