世界一過酷なデザートレース?! JAOS 能戸選手がレクサス『LX600』でバハ1000完走を目指す…群馬パーツショー2023

BAJA1000に参戦することが、幼い頃からの夢だったと語ってくれた能戸 知徳選手
BAJA1000に参戦することが、幼い頃からの夢だったと語ってくれた能戸 知徳選手全 19 枚

クロカン系パーツメーカーのJAOSジャオス)は2023年7月7日から9日の3日間、群馬県高崎市のGメッセ群馬にて開催された「群馬パーツショー2023」に出展した。

ショー会場で一際目立った存在となっていたのが、ジャオスのブースだ。ジャオスの展示車で注目の1台が「BAJA 1000」(バハ1000)へ参戦しているレースカー「LEXUS LX600 "OFFROAD" TEAM JAOS 2023 ver.」。

LEXUS LX600 "OFFROAD" TEAM JAOS 2023 ver.LEXUS LX600 "OFFROAD" TEAM JAOS 2023 ver.

バハ1000はメキシコのバハ・カリフォルニア半島で開催されるハードなオフロードレース。過酷なことで知られるダカールラリーも、基本的には朝スタートして夕方にステージゴールという方式だが、バハ1000はスタートしたらゴールまで給油以外の停車はない。常に走り続けてゴールを目指すという超過酷なオフロードレースなのである。

◆2022年から挑戦をスタート、初年度はトラブルで悔しい思いを経験

安全確保のために、車内には強固なロールゲージが組まれている安全確保のために、車内には強固なロールゲージが組まれている

ジャオスは自社ドライバーの能戸知徳選手と共に2022年からバハ1000にチャレンジしているが、残念なことに昨年はリタイヤに終わった。リタイヤの理由は電装系トラブルのために、マシン側がフェールセーフを効かせてしまい、結果的にエンジントラブルで車を止めた。

ジャオス代表取締役赤星 大二郎氏は「国内テストでは全く問題がなかったが、速度域が全く違う本番のペースでは止まってしまった。これが競技の厳しいところです」と語る。

赤星氏はさらに「2022年はレースディスタンスのおおよそ10%くらいしか走れなかった。今年は目標として、とにかく完走を目指します。そのためにタイヤも従来の35インチから37インチに大径化しました」とのこと。タイヤの外径を大きくするのはどのような意味があるのだろうか?

スペアタイヤとしてトランクには2本積載されているスペアタイヤとしてトランクには2本積載されている

「総合で上位に食い込むモンスターマシンは40インチなどの超大径タイヤを履いています。我々はその後ろを走ることになるので、40インチタイヤが掘った轍を超えていかないとならない。そうなるとやはり35インチでは不足で、37インチにアップしたのです」とのこと。

この40インチという数値はタイヤ外径で、私たちが一般的に思うホイールサイズとは異なる。とはいえ40インチは直径が約1.0m、37インチでも約94cmになるのだから驚きのサイズといえる。

◆過酷な競技のタイヤが市販品! オープンカントリーはやっぱりすごい

トーヨータイヤ オープンカントリーR/Tトーヨータイヤ オープンカントリーR/T

さらに興味深いのは、そのタイヤがレース用のスペシャルではないこと。タイヤはトーヨータイヤの「オープンカントリーR/T」でアメリカでは普通に販売されているサイズだという。R/Tはラギッドティレインという意味で、M/T(マッドテレイン)とA/T(オールテレイン)の中間的な性格。

1600kmの道のりを走るバハ1000では、南北で大きく地形や路面が異なる。速く走ることも重要だが、耐久性や信頼性はそれ以上に大切。R/Tはまさにバハにピッタリのタイヤだという。

ジャオスの参戦クラスは、市販車をベースとした改造範囲の狭いストックフルクラス(※)。そこへ市販タイヤで挑む姿勢は、市販パーツを開発、販売するジャオスらしいもの。※2輪または4輪駆動のピックアップトラック、もしくはSUV車両が参加可能な市販車無改造クラス

監督はジャオス代表の赤星氏、ドライバーは同開発部の能戸選手が務める。メカニックの多くは群馬トヨタ自動車やネッツトヨタ高崎のスタッフが担当。競技スタートの11月13日に向け、確実に開発とテストは進んでいる。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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