アストンマーティン『Valour』、715馬力のV12を6速MTで操る…北米初公開へ

アストンマーティン Valour
アストンマーティン Valour全 10 枚

アストンマーティンは8月8日、2ドアスポーツカー『ヴァラ』(Aston Martin Valour)を、8月18日に米国で開幕する「モントレー・カー・ウィーク」で北米初公開すると発表した。


◆1970~80年代の名車に着想したスタイリング

同車は、アストンマーティンの創立110周年を記念して、世界限定110台を生産する。1970~1980年代を象徴する『V8ヴァンテージ』と、『ヴァンテージ』をベースに、1980年に登場したルマン・レーシングカーの『Muncher』からインスピレーションを得たスタイリングを採用する。ボディはフルカーボンファイバー製とした。

クラムシェルボンネットには、大きなU字形ベントと2個のNACAダクトが設けられており、その下に搭載されるV12ツインターボエンジンに冷却エアを供給する。フロントグリルの中央部分には、アルミ製のストレーキを配した。両サイドにはカーボンファイバー製の大型エアインテークが設置され、エンジンとブレーキに冷気を送る。また、クラシックな雰囲気を演出する丸型LEDヘッドライトを採用し、アイブローを連想させるグリルの下に配置した。車体の両サイドには、大きなフロントスプリッターとフロントフェンダーベントが組み込まれた。リアスクリーンパネルを特長づけるボーテックスジェネレーターのエキソブレードは、上昇するカムテールや大型のディフューザーと連動して機能し、空力バランスを整えている。

テールライトには、LEDライトブレードのクラスターが両側に各6個配されており、ハイパーカーの『ヴァルキリー』を連想させるデザインとした。さらに、アルミの塊から切削加工され、研磨されたアクセントが車両全幅にわたって装着された。リアのディフューザーには、軽量ステンレス製のトリプルテールパイプを組み込む。板厚が1mm未満のパイプは、従来のシステムと比較して7kgの軽量化を実現しながら、重量感のあるエキゾーストサウンドを奏でるという。

アストンマーティン Valourアストンマーティン Valour

◆5.2リットルV12ツインターボエンジンをフロントに搭載

フロントに搭載される5.2リットルV型12気筒ガソリンツインターボエンジンは、専用のキャリブレーションを施した。これにより、最大出力715ps、最大トルク76.8kgmを獲得する。

機械式のLSDは、エレクトロニックトラクション&スタビリティコントロールシステムのサポートを受けながら、ドライバーと車の一体感を高めている。ドライビングモードの「Sport」、「Sport+」、「Track」は、それぞれの状況で最適なスロットルレスポンスや、トルク特性、サウンドを実現する、と自負する。

ダイナミックな走りを強調するため、専用設計されたアダプティブダンパー、スプリング、アンチロールバーを備えたサスペンションを採用した。ホイールアライメントのジオメトリは、専用のキャンバー、キャスター、トーに改められている。

アストンマーティン Valourアストンマーティン Valour

◆6速MTのシフトレバーはメカニズムを意図的に露出

2人乗りのコックピットの中心には、マニュアルトランスミッションのシフトレバーを配置した。ギアノブは、機械加工されたアルミ、チタン、カーボンファイバー、またはウォールナットから選択することが可能。また、メカニカルな機能を強調するために、シフトメカニズムを露出させている。

伝統的なウールのツイードは、1959年にルマン24時間レースで優勝したアストンマーティン「DBR1」のシート地からインスピレーションを得た。軽量パフォーマンスシート、特注のドアカード、フェイシアエアベント、アッパーセンターコンソール、トランスミッショントンネルに採用されるハイテク織りカーボンファイバーなどとコントラストを生み出すという。

「Q by Aston Martin」によるカスタマイズが行える。インテリアには、木目のカーボンファイバーパネルをはじめ、ジョンストンズ・オブ・エルガン製ツィードやカシミアをシート地やヘッドライニングに用いることが可能、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 水平対向8気筒エンジン搭載バイクは世界唯一、中国長城汽車の「SOUO」ブランドが発表
  2. 6年ぶりビッグネーム復活!? 新開発のV12エンジンが搭載されるフラッグシップGTとは
  3. トヨタ『シエンタ』対応の「車中泊キット」一般販売開始
  4. VWの小型ミニバン『キャディ』、改良新型を生産開始…5月末ドイツ発売へ
  5. MINI ハッチバック 新型の頂点「JCW」、今秋デビューへ…プロトタイプの写真を公開
  6. BMWの新型車、ティザー…実車は5月24日発表へ
  7. スズキ スーパーキャリイ 特別仕様は“For Your Work Buddy”…デザイナーの思いとは?
  8. 「トゥクトゥク通学」学生の問題意識から生まれたレンタルサービス、実証試験を開始
  9. KGモーターズ、超小型モビリティの車名を『mibot』と発表
  10. 【メルセデスベンツ EQA 新型試乗】“EQ感”がより増した、シリーズ最小モデル…島崎七生人
ランキングをもっと見る