渋滞の予測は人とAIが手を取り合う時代へ NEXCO東日本の取り組み

上り方面で「AI渋滞予知」が導入されている東京湾アクアライン
上り方面で「AI渋滞予知」が導入されている東京湾アクアライン全 3 枚

お盆や年末年始など大型連休になると注目される高速道路の渋滞予測。「渋滞予報士」と呼ばれるスタッフらが過去のデータをもとに毎日行なっているが、近年ではAIを活用した新たな取り組みも始まっている。

◆旅行の計画などを立てるなら、渋滞予報士による予報

NEXCO東日本で「渋滞予報士」と呼ばれるスタッフが中心となって行なっている予測の特徴は、およそ2か月前から予測しているという点。旅行やイベントの計画に活用しやすいデータだ。

過去3年のデータをもとに、渋滞の開始の時刻、ピーク時刻、解消時刻とその渋滞長を三角形のグラフのようなデータにして重ね合わせて行う。

渋滞の予測には曜日や天候、道路の新設などの状況、高速道路の割引サービスや料金体系の変化、周辺での大規模イベントなど、さまざまな要素が絡み合う。そのため、過去の経験や知識を活かし、予測する期間により近い状況の年のデータをその都度選択し、より正確なデータを導き出す。

◆旅先で帰りの時間を決めるなら「AI渋滞予知」が効果的

「AI渋滞予知」はNEXCO東日本とNTTドコモとの協働によるもので、NTTドコモの基地局データから昼の人口分布を割り出し、渋滞の発生実績と掛け合わせることで、14時以降の渋滞の詳細な予知を可能にしたものだ。

2017年に東京湾アクアラインの上り線で導入され、その後、関越道上り線と京葉道上り線に拡大された。毎日午後1時に発表となるため、旅行や出張帰りの渋滞を避け、混雑を緩和するのに役立っている。

◆AIによる渋滞予報士と同等の予測モデルも進行中

こちらはまだ実用化はされていないが、NEXCO東日本の渋滞予測技術と株式会社グリッドのAI開発プラットフォーム「リノーム」を用いた長期渋滞予測技術も2018年に開発されている。

開発は関越自動車道を対象にしたもので、2004年以降のデータを機械学習に使用。トラフィックカウンターと呼ばれる装置から得られる5分ごとの速度や交通量データ、混雑期間の曜日配列をもとに予測。開発当初の2018年のゴールデンウイークと年末でも、混雑期の予測の比較はAIと予報士で8割程度、結果が一致していたといい、実用化に向けて開発が進んでいる。

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