オイル交換時に“フラッシング”って本当に必要なのか!?~カスタムHOW TO~

オイル交換時に“フラッシング”って本当に必要なのか!?~カスタムHOW TO~
オイル交換時に“フラッシング”って本当に必要なのか!?~カスタムHOW TO~全 3 枚

エンジン内部を綺麗にするために洗浄用オイルを入れる「フラッシング」。必要論と不要論があるが、実際どうなのだろうか。エンジンオイル管理の重要さを改めて確認したい。

エンジンオイル交換時に「フラッシング」という作業がある。これは洗浄成分のあるオイルを入れて一定時間エンジンを回してから抜いたり、エンジンオイルに洗浄成分のあるオイルを追加してからエンジンを回して抜く作業のこと。

エンジン内部の汚れなどを落とすのに効果的だという。肯定派はやはり洗浄成分の高いオイルを回すことで内部の汚れを除去することができるという。否定派はフラッシング後はオイルを抜いて、オイルフィルターも交換するがそれでもオイルが残るので洗浄成分が残るのはむしろ良くないという。これはそれぞれの主張があるので一概には言えない。

しかし、世界的オイルメーカーとして知られるモービルでは「エンジンフラッシングオイル」を販売しているが、その説明文には「通常のエンジンオイルに使用される洗浄成分を採用したフラッシング専用オイルです。市場の一部で見受けられる溶剤系の洗浄剤ではありませんので、エンジンに悪影響を及ぼすことなく、フラッシングオイルが速やかに各部に行き渡りエンジンをクリーンにします。」と表記されている。

つまりモービルの見解としては、溶剤系の洗浄剤が残るのは良くない、と示している。そして、通常のオイルに含まれている洗浄成分であれば問題がないので、それが入れられたオイルをフラッシングオイルとして販売しているわけだ。

チューナーやプロショップによっては、フラッシングは通常しないが過走行車など、エンジン内部が汚れている個体の場合、通常のオイルの低粘度なものを入れて循環ししばらくして抜くことで内部を綺麗にする場合もあるという。

自動車メーカーのマニュアルにはフラッシングに関する表記を少なくとも筆者は見たことがない。つまり定期的にオイル交換をしていれば、とくに必要がないのだ。通常自動車メーカーのマニュアルにはオイル交換時期が指定されている。この距離や時間などの守っていれば問題はないということなのだ。

しかし、現在はオイル交換が1万~1.5万kmごと、もしくは2年毎のような指定をされている場合が多い。これはそのペースで変えていればOKということなのだが、エンジン内部の汚れ方などを見ているともっと早く交換をするものあり。この指定は自動車メーカーとして、この距離か時間が立ったら絶対に変えてくださいね、という表記。必ずしも最高のコンディションを維持するための指定とは言えないだろう。

実際、多くの人は新車を購入して10万kmまでに乗り換えてしまう。ならば、10万kmを迎えたときにエンジン内部が新品同様に綺麗である必要があるのだろうかという話である。

最高のパフォーマンスを発揮し続けるためには、早め早めのオイル交換で汚れが蓄積しないようにしたほうがいい。しかし、ある程度で乗り換えるのであれば問題がない程度にオイルを変えていれば良い。オイル交換に掛かるコストが抑えられるのでトータルで見れば安く上がる、という見解なのだ。

なので中古車で走行距離が10万kmを超えるようなクルマ。とくに欧州車はオイル交換の指定距離が長いが、そういった個体はエンジン内部が非常に汚いものが多いと都内で働く整備士は言う。それによって即エンジンが壊れるわけでは無いが、汚れが堆積してピストンリングの動きが悪くなり、出力低下やオイル消費が増えることもある。

そういった個体にこれから乗るのではあれば、フラッシングをするのも手のひとつ。もしくは柔らかめのオイルを最初の数回早めに交換して、エンジン内部を洗うようなイメージで乗ってあげるのもアリ。

オイル管理はエンジン管理の基本。オイルは安いものを頻繁に変えるとか、高価なオイルを長く使うとかいろいろな意見はあるが、最近のクルマはとくに細かく規格が指定されている。ダウンサイジングターボエンジンは低速異常着火と言われるノッキングを起こしやすく、そういった成分をカットしたエンジンオイルの使用が指定されている。

なんとなくイメージや値段で選ぶのではなく、APIやILSACなどの規格に適合したオイルを選んで使うようにしてもらいたい

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

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