<新連載>[外部パワーアンプで良音を満喫]使用目的がはっきりした「スペシャル機」がある?

サブウーファー用の「1chパワーアンプ」の一例(フォーカル・FPX 1.1000)。
サブウーファー用の「1chパワーアンプ」の一例(フォーカル・FPX 1.1000)。全 3 枚

カーオーディオ愛好家の多くは、「外部パワーアンプ」をシステムに組み込んでいる。当特集ではその理由は何なのか、そしてこれを使う醍醐味はどこにあるのか等々を解説しようと試みている。今回は前回に引き続き、これには「ch数違い」があることを説明していく。

◆使われることが多いのは「4chパワーアンプ」。しかしそれ以外にもさまざまある!

最初に、前回の内容を簡単におさらいしておこう。カーオーディオ用の「外部パワーアンプ」には「ch数違い」がある。なおその中でもっともスタンダードなのは、「4chパワーアンプ」だ。ステレオ音源を楽しむには「外部パワーアンプ」のch数は「2」が確保されていればOKだが、「4chパワーアンプ」はそれよりも「2ch」多く備えるのでさまざまなシステム運用が可能となる。この使い勝手の良さが人気の理由となっている。

そしてそれに続いて「2chパワーアンプ」も使われる頻度が高い。これは、導入コストを抑えたいとき、または限りある予算でより高性能なモデルを手に入れたいときに選ばれることが多くなっている。

で、カーオーディオ用の「外部パワーアンプ」には他に、「1ch(モノラル)パワーアンプ」と「多chパワーアンプ」とがある。今回は、これらについて解説していく。

まずは「1ch(モノラル)パワーアンプ」について説明していこう。なおこれは、さらに2タイプに分類できる。1つは「低音再生専用ハイパワーモデル」で、もう1つは「高音質フルレンジモデル」だ。

サブウーファー用の「1chパワーアンプ」の一例(カロッツェリア・GM-D8100)。サブウーファー用の「1chパワーアンプ」の一例(カロッツェリア・GM-D8100)。

◆「サブウーファー」を良好に鳴らすには、「専用パワーアンプ」が有利!?

1つ目の「低音再生専用ハイパワーモデル」とは、「サブウーファー」を鳴らすための「外部パワーアンプ」だ。「サブウーファー」は振動板と磁気回路が大きいので、鳴らすにはより多くのパワーが必要となる。ゆえにハイパワー化が図られた専用モデルがさまざまリリースされているのだ。

またカーオーディオでは「サブウーファー」は、ステレオで鳴らされるよりもモノラルで鳴らされることの方が多い。「サブウーファー」が再生を担当する超低音は波長が長く出どころが分かりにくい。なので車内では超低音再生についてはステレオ感を再現しにくい。ゆえに超低音は左chの信号と右chの信号とをあらかじめ合成し、その上で信号を増幅してモノラルで鳴らされることが多くなっている。

というわけで「サブウーファー」を鳴らすための「外部パワーアンプ」は、「1ch」仕様である場合がほとんどだ。そして「1ch」仕様とすればハイパワー化も図りやすくなる。そして中域から高域の再生能力は問われないので低音再生力に特化して設計できる。このように、「サブウーファー」を鳴らすためのものとして適したスペックのモデルに仕上げやすくなる。

高音質フルレンジタイプの「1chパワーアンプ」の一例(ビーウィズ・P-1R)。高音質フルレンジタイプの「1chパワーアンプ」の一例(ビーウィズ・P-1R)。

◆音にこだわるなら、「モノラルタイプ」の「高音質フルレンジモデル」が狙い目!?

次いでは「高音質フルレンジモデル」について説明していこう。これは、高音質システムを作り上げようとするときの選択肢となるものだ。ホームオーディオでもカーオーディオでも、音にこだわろうとする場合には「マルチアンプシステム」が組まれることが多くなり、特にカーオーディオでは信号制御をより詳細に行いたいという事情もありホームオーディオ以上に「マルチアンプシステム」がスタンダード化している。

で、「マルチアンプシステム」ではスピーカーユニットの1つ1つに対して「パワーアンプ」の1chずつがあてがわれることとなるので、スピーカーの駆動力が上がる。そしてそれを「モノラルタイプ」の「高音質フルレンジモデル」にて組み上げると、chセパレーションが良くなりさらなる高音質化を狙える。

とはいえ高性能な「4chパワーアンプ」や「2chパワーアンプ」も多々あり、必ずしも高性能な「1chパワーアンプ」が使われるとは限らないが、音にこだわろうとするときの魅力的なチョイスとなることもまた事実だ。なのでいくつかのメーカーが、このようなモデルをリリースしている。

そして「多chパワーアンプ」は、大がかりなシステムを1台の「外部パワーアンプ」にて完成させたいと考えられるときに使われる。これを使えば、多くのch数が必要になる場合でも「外部パワーアンプ」が1台で済むので、製品代的にもインストール的にもコストの抑制を果たせる。

今回は以上だ。次回は、仕組み的な「タイプ違い」があることを説明していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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