こんなカスタム、あり? トヨタなど自動車メーカー8社が『爆創クラブ』に協力

爆創クラブ(東京ゲームショウ2023)
爆創クラブ(東京ゲームショウ2023)全 19 枚

メタバースの中を実在の車が走り回り、現実にはありえないカスタムカーを作る! トヨタ自動車はじめ国内自動車メーカー8社と、日本最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」を運営するクラスターは、メタバースゲーム『爆創クラブ』を開発した。

【画像全19枚】


『爆創クラブ』はバーチャル空間で“車の未来を創る”体験ができるメタバースゲームだ。千葉市の幕張メッセで開催中の「東京ゲームショウ2023」において、9月22日にリリースされた。メタバースの中を好きな車で走りながら、路面にあるアイテムをピックアップして車をカスタマイズして行く。

◆デブリカスタムで自身のアイデンティティを反映

時は2323年、宇宙空間での生活が当たり前になり、誰も住まなくなった地球で、ひそかに人気を集める遊びがあった。地上に残された残留物を集めて車を改造し、自身のアイデンティティを反映させて仕上げる遊び、“デブリカスタム”だ。その趣に魅せられた人が集まってできたそのクラスターの名は『爆創クラブ』。

プロジェクトの発端は、トヨタ自動車の「新しい可能性を生み出すものづくりと、移動の自由・楽しさを伝えるため」の取り組みのひとつだ。それらの可能性、自由、楽しさを様々な年齢層に届けるため、メタバースプラットフォームで『爆創クラブ』を開発することになった。

すでに東京オートサロン2023においてトヨタは、プロドライバーとファンとの交流イベント「未来会議 inメタバース」と、バーチャルガレージでの車両展示を、Clusterと実施した。引き続き「ものづくり」という共通理念のもと『爆創クラブ』プロジェクトの実施となった。そしてユーザーにとってより楽しい体験になるように、モビリティの選択肢広げるべく、国内乗用車メーカーに参加を呼びかけた。車両の3Dデータを提供したメーカーは五十音順でスズキ、スバル、ダイハツ工業、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダ、三菱自動車の8社だ。

◆メタバースの本質とはものづくり、リアルとシームレス

メタバースの本質とはものづくり、と言うのはクラスターの加藤直人CEOだ。22日に幕張メッセで実施された「爆創クラブ制作発表会」において加藤CEOは「こんな世界があったらいいのに、という世界がメタバースなら作れる。こんな乗り物があったらいいのに、というのが『爆創クラブ』だ」と語った。

トヨタ側の開発責任者がビジョンデザイン部の中嶋孝之部長だ。2015~19年に『ヤリス』のチーフデザイナーを務め、2021年にビジョンデザイン部部長に就任した。中嶋部長は、メタバースとモビリティとの掛け合わせで化学変化が起きている、と語る。

中嶋部長は「メタバースとリアルな世界との間に、境界線を作るのはナンセンス。自動車のデザイン開発では、デジタルでデザインして実物モデルを作り、実物モデルをまたデジタルに落とし込む、と言うように行ったり来たりしている。ハードもソフトも同じところをめざしている。シームレス」と、デザイナーらしいコメントだ。

◆エビフライカスタムは採用されなかった

実際にトヨタで『爆創クラブ』の開発を担当したビジョンデザイン部の飯島泰昭デザイナーは「メタバースでのモビリティというと、これまではレースが多い。だがモビリティの楽しみ方はそれだけではない。カスタムカーを楽しむ人もいる。いっぽうメタバースではキャラクターをカスタムしたりする。メタバースとモビリティの楽しみ方が近いところだ。また、現実には不可能な爆走がメタバースではできる。そこで爆走の走を創にした。車好きのためのコアなコンテンツならないよう、リアルな車にはつけられないようなカスタムパーツを用意した」と語る。

中嶋部長は「おすすめアイテムはトビウオの羽と金のシャチホコ。エビフライが欲しいと提案したのだけど、食べ物が地面に落ちているのは良くないので、採用されなかった」と笑う。

《高木啓》

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