「EV王国」の中国で苦戦する三菱自動車、現地生産から撤退へ[新聞ウォッチ]

三菱自動車が中国で生産していたエクリプスクロス(2018年)
三菱自動車が中国で生産していたエクリプスクロス(2018年)全 2 枚

「わが社は大丈夫なのか?」----中国市場に入れ込む自動車メーカーの社員からは、こんな憂いる声が聞こえてきそうなニュースだろう。

ホンダ青山ビル(2023年)ホンダ青山ビル(2023年)

三菱自動車が、中国の自動車生産から撤退する方針を固めたと、きょうの日経が1面トップ記事で報じたほか、読売なども追随して取り上げている。それによると、現地メーカーが生産する電気自動車(EV)との競争が激しく、販売不振に陥っており、主力市場となる東南アジアに経営資源を集中させるというのが撤退の理由のようだ。

◆14万台が3万台に

三菱自は2012年に中国の自動車大手の広州汽車集団などと合弁会社「広汽三菱汽車」を設立。湖南省にある長沙工場で、スポーツ用多目的車(SUV)の『アウトランダー』など、ガソリン車を中心に生産してきた。

しかし、最盛期の2017年度には14万台もあった中国での販売台数は、22年度には約3万台まで減少。昨年12月には、巻き返しを狙って新型車を投入したが、販売台数が計画を大きく下回っていた。このため、今年3月以降は、現地工場の生産を中止し、部品メーカーに支払う補償費用もかさんでいたようだ。広汽三菱には、広汽集団が5割、三菱自が3割、三菱商事が2割を出資。合弁会社は存続するが、三菱自と三菱商は出資分を引き揚げる方針だという。

◆各社が中国戦略を見直しか

日本車メーカーの中国市場をめぐっては、すでにコロナ禍前の2018年には、スズキが現地企業との合弁を解消し、事実上の撤退に踏み切った。その後、中国では急速なEVの普及に伴い、ガソリン車に強い日欧米などの自動車ブランドは苦戦しており、三菱自動車による生産撤退の決断を機に、中国に入れ込む自動車メーカーの中にも「戦略の見直しが広がる可能性がある」(日経)とも伝えている。

2023年9月28日付

●普通免許トラック展示、いすゞ、ジャパンモビリティーショー「2024年問題」人手不足対応(読売・10面)

●「ガリバー」株一部売却、ビッグモーター運転資金確保か(読売・10面)

●部品の共同購入契約解消、ルノー・日産・三菱自(読売・10面)

ウーブンの株式トヨタ買い取り、51億円、完全子会社化(毎日・6面)

●全国ガソリン3週連続下落、180円50銭(毎日・6面)

●車づくり脱炭素強化、各社新技術競う(産経・10面)

●三菱自、中国生産撤退へ、EV出遅れで販売不振、最終調整、外資苦戦戦略見直しも(日経・1面)

●自動運転の危険予測、デンソーAIで効率化(日経・14面)

●パナHD、EV電池再利用、ニッケル高純度で回収、米新興と(日経・15面)

●ホンダ「青山ビル」建て替え発表(日経・15面)

《福田俊之》

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