音が“きめ細やか”と感じた? 音の良し悪しを言い表す言葉…キーワードから読み解くカーオーディオ

高度なシステムが搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:LCサウンドファクトリー<栃木県>)。
高度なシステムが搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:LCサウンドファクトリー<栃木県>)。全 5 枚

カーオーディオ機器に関する情報を集めると、難解なワードを度々目にする。当連載ではそれらの意味を1つ1つ解説し、ビギナーが感じる「?」の解消を目指している。現在は、音の良し悪しを表現する用語にスポットを当てている。

◆「解像度」とは、音の“きめ細やかさ”について評するときに使われる。しかし……

早速本題に入ろう。今回はまず「解像度」という言葉について説明していく。

なお一般的にこの言葉には、「画像のきめ細やかさを表す尺度」という意味がある。つまり画質の良し悪しを評すときに用いられる言葉だ。例えば、ディスプレイやデジタルカメラで撮影する画像やスマホの液晶についてその画質がどの程度なのかを、画面を構成する画素のタテとヨコの積で指し示す。つまり、「解像度」が高いかそうでもないかは、数字として明確化できる。ちなみに、プリンターの出力やイメージスキャナーの読み取りにおける「解像度」は、1インチあたりのドットの数で示される。単位は「dpi」だ。

で、カーオーディオシステムの音の良し悪しについて語られるときにも、「解像度」という言葉がよく使われる。そしてこの場合でも画像と同じく、きめ細やかさについて評価する言葉として使われる。サウンドも、再現性が高くなればなるほどきめ細やかさが上がっていくので、そうであると感じられるときに「解像度が高い」と評される。

ただし、音に関する「解像度」は基本的に、数値に置き換えられない。あくまでも聴感上の印象、つまり主観的なものとなる。

高度なシステムが搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:LCサウンドファクトリー<栃木県>)。高度なシステムが搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:LCサウンドファクトリー<栃木県>)。

◆「解像度」が高いサウンドは、耳に心地良く響く!?

ちなみに優秀なシステムで音楽を聴くと、確かに音のきめ細やかさも感じられる。そしてきめ細やかであると思われるときには滑らかさも感じる。結果、耳当たりが心地良くなる。このように音の「解像度」が上がれば上がるほどサウンドはスムーズになり、印象が柔らかく、温かく、さらにはしっとりとした感じも高まっていく。そしてそういったことを感じられるサウンドについては、「解像度が高い」と評されることが多くなる。

でも逆に、「解像度」が上がることで印象が鋭利になる場合もある。きめ細やかになり結果としてシャープさが増す場合にも、「解像度が高い」という表現が用いられることも多い。

続いては、「解像度」と似た言葉として「分解能」というワードについて説明したい。なお「分解能」は言葉として「解像度」と似ているものの、意味合いは異なる。こちらは各楽器の音がしっかりと分離して聴こえるかどうかを評するときに使われることが多い。つまり、音の混濁感が希薄な状態であると感じられると、「分解能が高い」と評される。

とはいえこのように感じられるか否かも、結局のところは「解像度」が高いかどうかもポイントとなる。きめ細やかであれば、音の混濁感も薄まっていくというわけだ。なので言葉としてはあくまでも別物でありつつも、本質的には共通項は持っている。

高度なシステムが搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:LCサウンドファクトリー<栃木県>)。高度なシステムが搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:LCサウンドファクトリー<栃木県>)。

◆「情報量」と「解像度」は、似ているようで別物!?

もう1つ、「解像度」と似た言葉がある。それは、「情報量」だ。

なおこちらは、そのオーディオシステムが音源に含まれている情報をいかに多く再現できているかについてジャッジされるときに使われる。つまりこちらは細かさではなく絶対量の多さを言う言葉、というわけだ。

で、「情報量」が上がっていくと、サウンドのリアリティが増していく。「ステレオ」とは演奏をリアルに再現しようとするものだが、「情報量」が増えれば増えるほどその目的をより高度に達成できるようになるからだ。

例えば「情報量」が多いと、ボーカルの音が一層生々しく聴こえてくる。そしてサウンドステージの立体感も上がっていく。それらを感じさせる要素もシステムがしっかりと再現できるようになる、というわけだ。

そしてさらにはサウンドがより緻密だと感じられるときにも、「情報量が多い」と評される。

また、「情報量」が多いと音色も良化していく。音は音程を決める成分である「基音」と音色を決める成分である「倍音」とで成り立っているのだが、「情報量」が多い場合には、この「倍音」成分も多く再現されることとなる。なので、音の響きがより濃密に、そして質感良く表現されることとなる。

今回は以上だ。次回も音の良し悪しについていうときの言葉について説明していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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