学生や新社会人にバイクは高すぎる!「125ccシリーズ」攻勢でヤマハが若者へ熱烈ラブコール

ヤマハは新型「125ccシリーズ」で若者世代に向け攻勢をかける。
ヤマハは新型「125ccシリーズ」で若者世代に向け攻勢をかける。全 39 枚

◆ニーハンから125に、人気クラスへ新型一斉投入!

ヤマハが『XSR125』をはじめ『MT-125』、そして『YZF-R125』『YZF-R15』と、10~12月にかけて一挙に4つのモデルを国内ラインナップに導入している。

ヤマハの新型125ccシリーズを比較試乗

このクラスに猛攻を仕掛ける背景には、近年の国内販売が堅調で特に125ccクラスの人気が上がっていることがある。日常的な移動手段として、性能は充分で小回りが効く。50ccのように30km/hの速度規制や交差点での二段階右折など、特殊な制限がないなど使い勝手がいい。エントリー層をはじめ、既存バイクユーザーのセカンドバイクやリターンライダーなどにも最適で、初心者から上級者まで幅広い需要が見込まれる。

ヤマハの新型125ccシリーズヤマハの新型125ccシリーズ

一昔前では、ビギナーに販売店がオススメするのは250ccクラスであった。しかし今では新車の価格が上がってしまったことで、免許取得費用や装具類を合わせれば、バイクライフをスタートさせるのに100万円近い金額が必要となってしまう。学生や新社会人にとって、購入へのハードルはとても高い。

こうした価格的な面からも、最初のバイクに原付2種クラスが選ばれていると、ヤマハ発動機の武田知弥氏(GB企画推進部スポーツグループ)は話す。たとえば『YZF-R25』(メーカー希望小売価格69万800円)なら、乗り出し価格はおよそ75万円。教習所に通って、ヘルメットやジャケットを新調すれば、あっという間に100万円が必要となってしまう。

◆ライダー若返りのためにも

ヤマハ YZF-R125ヤマハ YZF-R125

バイク乗りを年齢別(日本自動車工業会の調査レポート)に見ると、30代までの割合は13%ほどでしかない。そんな現状を打開したいと、ヤマハは乗り出し費用を抑えることのできるこのクラスのラインナップを充実させる。メーカー希望小売価格(税込み)は次のとおり、比較的リーズナブルだ。

■MT-125:49万5000円
■XSR125:50万6000円
■YZF-R125:51万7000円
■YZF-R15:55万円

「ターゲットカスタマーは、初めてのバイクを選ぶ“20歳の大学生”」と武田氏は言う。

125ccシリーズの商品企画を担当したGB企画推進部スポーツグループの武田知弥氏125ccシリーズの商品企画を担当したGB企画推進部スポーツグループの武田知弥氏

「若い人たちは速く走ることを目的にしているのではないし、上手く乗らなければならないというプレッシャーもあまり感じていません。時刻表を気にしたり、駅の位置に縛られない自由な移動に喜びを感じ、バイクに乗っています」

同社のリサーチから、若者たちのこうした意志がわかった。

電車やバスとは違う、もっと自由な移動手段。まずはイージーな感覚でモーターサイクルに触れてもらい、少しずつバイクを楽しむ世界を広げて欲しいと、ヤマハは願っている。

◆充実のラインナップで対応

「とはいえ、人ぞれぞれ趣味嗜好が違ってきます。バリエーションが4つあれば、要望に応えられます」と、4機種勢揃いの発売に武田氏は胸を張る。

125ccクラスは『YZF-R125』『MT-125』そして『XSR125』の3機種があり、どのように棲み分けされるのか、武田氏は想定するユーザーを次のように説明してくれた。

ヤマハの新型125ccシリーズヤマハの新型125ccシリーズ

■YZF-R125
他人にどう見られるかが大事。
スポーティなイメージが好き。レースは知らない。
バイクマニアだと思われたくない。

■MT-125
型にはまることが嫌い。個性派。
仲間と一緒にいるのも好きだけど、一人の時間を大切にする。
ゲーム好き、趣味を満喫。PCにお金をかけている。

■XSR125
自分のセンスを重視、他人の目は気にしない。
バイクというより生活の質を上げる道具として選ぶ。
デジタルというよりアナログ感性。

これに加え、高速道路も走行でき、遠くのツーリングにも対応してくれる『YZF-R15』があるのだ。

◆“R”らしい本格派な走りの『YZF-R125』

ヤマハ YZF-R125ヤマハ YZF-R125

『YZF-R125』および『YZF-R15』は本格的なライディングポジションで、フルカウルを身にまとうクラスを超えた存在感を実現している。シリーズの長兄『YZF-R1』と共通する水平基調のデザインを踏襲しつつ、トラクションコントロールシステムや過度なエンジンブレーキを抑えるアシスト&スリッパークラッチも備えた。クイックシフターをオプションに設定するのは、今回登場のニューモデルでは唯一だ。

乗り比べると、『YZF-R125』も日常走行域で不足のないパフォーマンスを発揮することがわかる。低速の力不足を感じさせないため、ファイナルドライブのドリブンスプロケットを52丁とし、『YZF-R15』の48丁に対しショートレシオ化。ダッシュ力を強めた。

見かけ倒しではなく、スポーツバイクとしての戦闘力が高く、ビギナーがもし手に入れたら「もっと上手く走りたい」と、スポーツライディングへの探究心を持つ大きなキッカケを与えてくれるはず。絞り込まれたシート形状で足つき性もいいし、フィット感も◎。体重移動がしやすく、積極的に着座位置をイン側へずらし、車体をより深く寝かせたくなるのだ。

◆モタードライクな軽快感の『MT-125』

ヤマハ MT-125ヤマハ MT-125

『MT-125』はよりクイックで軽快に操れる。モタードのようなアップライトなライポジで、キビキビと街乗りできるよう応答性に優れるハンドリングが際立つ。

キャスター角は『YZF-R125』が25°40'であるのに対し、25°30'に立てられた。浅いバンク角のうちに旋回性を発揮し、グイグイ曲がっていく。

躍動感みなぎるスタイリングはシリーズ共通。吊り目のフロントマスクは末弟ながら戦闘的で、ゴールドの倒立フォークも誇らしい。スイングアームは専用設計。マスの集中を持ち味とするMTスタイルを具現化するため、テールエンドを短くスッキリとさせているのも上級モデルらと変わらない。

『YZF-R125』同様、電子制御によるトラクションコントロールや操作荷重を軽減するアシスト&スリッパークラッチを装備した。

◆上位モデルに通じる乗り心地の良さの『XSR125』

ヤマハ XSR125ヤマハ XSR125

『XSR125』はクラスを超えた上質感がある。先進性とレトロ感を調和する丸形LCDメーターをはじめ、オーセンティックな雰囲気を演出するタックロールシート、肉抜きされた軽量アルミパーツなど、125ccモデルとは思えない手の込んだ仕上がりだ。樹脂製カバーをまとった10リットルの燃料タンクはニーグリップもしっくりときて、一体感がすぐに得られる。

デザイン重視で、走りは個性に欠け退屈ではないかと試乗前に想像してしまったが、それは間違いであった。ハンドリングはヤマハらしく軽快でクセがない。取り回ししやすく、Uターンも苦にならない。都会を駆け抜ける相棒として、うってつけなのもわかる。

乗り心地がよく、リラックスした乗車姿勢だからもっと長い距離を走ってみたくもなる。トラクションコントロールの搭載こそないが、アシスト&スリッパークラッチは標準装備する。

◆可変バルタイ搭載で全域で力強いエンジン

ヤマハ XSR125ヤマハ XSR125

心臓部は全モデル水冷SOHC4バルブ単気筒エンジンで、ワイドレンジな全域性能を実現している。低中速で扱いやすいトルクを発揮しつつ、高回転まで力強く回るワケはVVA(バリアブル・バルブ・アクチュエーション=可変バルブタイミング機構)にあり、7000~7400rpmで低回転域用のカムから中高回転域用のカムに切り替わる。

発売日と国内年間販売計画台数は以下の通り。ヤマハが願うように筆者も思う。若者たちよ、バイクに乗ってみないか!?

■YZF-R125:10月16日発売済み/2000台
■YZF-R15:10月16日発売済み/1000台
■MT-125:11月10日発売済み/800台
■XSR125:12月8日発売/3000台

ヤマハの新型125ccシリーズと筆者の青木タカオ氏ヤマハの新型125ccシリーズと筆者の青木タカオ氏

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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