スバルのADASやボルボの自動運転に利用、MathWorksとForetellixのSDV開発ツールに注目…Edge Tech+ 2023

MathWorks(マスワークス)のテストシナリオ構築ツール「RoadRunner Scenario」
MathWorks(マスワークス)のテストシナリオ構築ツール「RoadRunner Scenario」全 8 枚

組み込みシステムの総合技術展示会「Edge Tech+ 2023」において行われた技術アワードのオートモーティブソフトウェア部門では、2つのソリューションが優秀賞を獲得した。

◆シナリオに沿った環境モデルを作り出す「RoadRunner Scenario」

ひとつはMathWorks(マスワークス)社の「RoadRunner Scenario」という製品。ADAS・自動運転ソフトウェアの開発において、制御ロジックやAIモデルの動作を検証するため、シミュレーターにテストシナリオを再現させる方法がある。シミュレーターは、開発ターゲットの車両(ECU)がどう動くのか、歩行者や周りの車両はどんな状態でどう動くのか、といったシナリオに沿った環境モデルを作り出す。このシナリオをゲームやWebサイトを作るような要領で作成するツールだ。

シナリオエディタの例(MathWorks)

作成したシナリオデータは、OpenDRIVEやOpenSCENARIOといった標準的なフォーマットに変換される。MATLABやSimulinkといったシミュレータを使ったモデルベース開発のうち、自動運転やADAS機能の開発を支援し、CARLAという自動運転機能の開発に特化したオープンソースのシミュレータにも対応する。

RoadRunnerは、日本のADAS開発にも大きく貢献している。たとえば、スバルの「アイサイト」を開発するときに内製された「IVX-D」という自動運転開発システムにも使われた。

◆自動運転制御の精度を上げる「Foretify」

もうひとつはForetellix(フォーテリックス)社の「Foretify」だ。これは、自動運転のシナリオやテストケースのカバレッジを拡張してくれるツールだ。通常、シナリオやテストケースを作成する場合、専門家やエンジニアが正常時や危険時のパターンを設計する。あるいは想定されるテストケースのナレッジベースなどを利用する。自動化も可能だが、この方法では想定外や知見のないパターンが見落とされる可能性がある。


《中尾真二》

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  3. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
  4. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
  5. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る