外部パワーアンプの “モノラルアンプ”って、何?…キーワードから読み解くカーオーディオ

「ハイエンドシステム用のモノラルパワーアンプ」の一例(ビーウィズ・P-1R)。
「ハイエンドシステム用のモノラルパワーアンプ」の一例(ビーウィズ・P-1R)。全 3 枚

当特集では、カーオーディオに関する専門用語を1つ1つ取り上げて解説している。現在は、「外部パワーアンプ」に関するワードに焦点を当てている。今回は「モノラルパワーアンプ」について説明していく。

【画像全3枚】

◆カーオーディオで使われることが多いのは「4chタイプ」。しかし…

さて、前回の記事でも説明したように、カーオーディオ用の「外部パワーアンプ」には「ch数違い」がいくつかある。「ステレオ音源」には左右2ch分の信号が収録されているので、それを再生するには「外部パワーアンプ」は「2chタイプ」であれば良い。しかしカーオーディオ用の「外部パワーアンプ」には、それ以外にもさまざまあるのだ。

ちなみに前回の記事にて説明したように、カーオーディでは「4chパワーアンプ」がもっともスタンダードだ。「ch」が「4」あると使い勝手が上がるからだ。そしてそれに次いでは、「2chパワーアンプ」が使われることも多い。これを選ぶと、「外部パワーアンプ」にかかる予算を抑制できたり、より高性能なモデルを手にできたりするからだ。

で、その次に使われることが多いのは、「モノラルパワーアンプ」だ。なお「モノラル」とは「ステレオ」の対義語で、「1つの録音」という意味がある。つまり音楽を左右の「ch」に分けて録音せずに、1つの「ch」にまとめて録音されているものが「モノラル録音」と呼ばれている。そして「モノラルパワーアンプ」とは、音楽信号を増幅する回路を1つしか持っていないもののことを指す。つまり「単chパワーアンプ」、というわけだ。

「サブウーファー用のモノラルパワーアンプ」の一例(モレル・MPS 1.550)。「サブウーファー用のモノラルパワーアンプ」の一例(モレル・MPS 1.550)。

◆「モノラルパワーアンプ」にもタイプ違いが2つある!

さて、このような仕様の「外部パワーアンプ」はどのような使われ方をするのだろうか。

実は「モノラルパワーアンプ」にも、タイプ違いが2つある。1つは「サブウーファー用」でもう1つは「ハイエンドシステム用」だ。

それぞれがどういうものなのかを説明していこう。まず「サブウーファー用」から。

ところで「サブウーファー」とは、超低音を再生するためのスピーカーだ。クルマのドアに取り付けられるスピーカーは口径がそれほど大きくないので、超低音の再生を苦手としている。ゆえにカーオーディオでは、超低音を再生するための専用スピーカーである「サブウーファー」が使われることが多くなっている。

で、超低音は波長が長く音の出どころが分かりづらい。そしてさらに車室内空間は狭いがゆえに、ステレオ感が再現されにくい。よってクルマの中では超低音に関しては「モノラル」にて鳴らされることが多くなっている。

だったら「サブウーファー」を鳴らすための「外部パワーアンプ」も、「モノラル」で良い。そして「モノラルパワーアンプ」ならば内部回路は1つだけで良いので、大パワー化を図りやすくなる。コストを「1ch分」の回路に注げるからだ。というわけで「サブウーファー用の外部パワーアンプ」は、「モノラルパワーアンプ」である場合が多いのだ。

「サブウーファー用のモノラルパワーアンプ」の一例(カロッツェリア・GM-D8100)。「サブウーファー用のモノラルパワーアンプ」の一例(カロッツェリア・GM-D8100)。

◆高度な「マルチアンプシステム」を構築するためのスペシャルモデルがある!?

次いで、「ハイエンドシステム用のモノラルパワーアンプ」について説明していこう。

これはすなわち、高度な「マルチアンプシステム」を組むためのものだ。なお「マルチアンプシステム」とは、以下のようなもののことを言う。例えばフロントスピーカーが2ウェイの場合、ツイーター用の信号とミッドウーファー用の信号を「外部パワーアンプ」の前段で帯域分割し、それぞれの信号を「外部パワーアンプ」の1chずつの出力を使って増幅する。これが「マルチアンプシステム」だ。

なお「マルチアンプシステム」には利点が2つある。1つは、「緻密な制御を行えること」だ。サウンドチューニング機能を各chの信号に個別に適応できるようになるからだ。利点の2つ目は、「各スピーカーの駆動力が上がること」だ。1chずつの出力にかかる負担が減る分、個々のスピーカーをよりトルクフルに動かせる。

で、「マルチアンプシステム」を組む場合には、「外部パワーアンプ」の1chずつを別体化させるという手も選択可能だ。「ハイエンドシステム用のモノラルパワーアンプ」は、まさしくそのためにある。これを用いれば、ch間での信号の干渉をほぼなくせる。考え方はいろいろあるのでこれを使わなければだめということではないが、音にこだわろうとするときにはこのやり方を検討するのもアリだ。

今回は以上だ。次回も「外部パワーアンプ」に関連したワードの解説を続行する。お楽しみに。

《太田祥三》

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