航続1000km以上、メルセデスベンツの燃料電池トラック…2025年の量産化めざし実証実験へ

メルセデスベンツ GenH2トラック
メルセデスベンツ GenH2トラック全 5 枚

ダイムラー・トラック(Daimler Truck)は12月19日、燃料電池を積む大型トラック、メルセデスベンツ『GenH2トラック』を顧客に引き渡し、2024年前半からドイツの公道で実証実験を開始すると発表した。

実証実験に参加するのは、アマゾン(Amazon)、エアープロダクツ、INEOS、ホルシム、ヴィードマン&ヴィンツの5社だ。燃料電池トラックでCO2フリーの長距離輸送を行い、その実用性を確認する。5台のセミトレーラー・トラクターは、建築資材、海上コンテナ、ボンベ・ガスの輸送など、ドイツ国内の特定のルートで、さまざまな長距離輸送に使用される予定だ。車両への水素補給は、液体水素充填ステーションで行われる。

ダイムラー・トラックは、燃料電池トラックに液体水素を使用する。高いエネルギー密度を持つだけでなく、輸送コストも大幅に削減できるためだ。その結果、より多くの水素を搭載できるため、航続が伸び、従来のディーゼルトラックと同等の性能を発揮することができるという。液体水素タンクは、コストと重量の面でも有利。そのため、液体水素の使用により積載量を増やすことが可能になる。水素の充填は、10~15分で完了する。

ダイムラー・トラックは、積載量、航続、性能の面で、メルセデスベンツの長距離トラック『アクトロス』をベースとしたGenH2トラックを開発した。実証実験で使用されるメルセデスベンツGenH2トラックは、総重量40トンで、約25トンの積載量を持つ。2つの特殊な液体水素タンクと、強力なセル中心型燃料電池システムが、高い積載量と長い航続を可能にした。GenH2トラックの2つのステンレス製液体水素タンクは、88kgと貯蔵容量が大きく、長距離輸送に適している。ステンレス製タンクは、真空断熱された2本のチューブで構成されている。


《森脇稔》

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