2023年9月のドイツ「IAAモビリティ2023」でコンセプトが公開され、その個性的なデザインが話題となったメルセデスベンツの4ドアクーペ『CLA』。その市販モデルと思われるプロトタイプ車両をスクープすることに成功。コックピットの様子も見ることができた。
◆コンセプトよりは大人しい？ 新デザインの『CLA』
極寒のスカンジナビア山中で捉えたプロトタイプ車両は、デザインのディテールを厳重にカモフラージュしているが、そのシルエットは現行モデルよりなめらかで、より洗練された印象だ。コンセプトではヘッドライトそのものがメルセデスのブランドマークである「スリーポインテッドスター」になっていて度肝を抜かれたが、市販モデルではやや大人しくなる模様。目を凝らせばフロントとリアのLEDデイタイムランニングライト内部にスリーポインテッドスターが確認できる。メルセデスのデザイン責任者であるゴードン・ワグナーは、今後このデザインがブランドのデザインモチーフになると認めている。
エクステリアデザインの多くは市販モデルに引き継がれるが、キャビン内は大きく異なる。IAAで公開されたコンセプトには、全幅にわたるダッシュボードディスプレイが装着され、センターコンソールとは切り離されたフローティング式となっていた。
しかしプロトタイプでは、大型のデジタルインストルメントクラスターパネルと、中央には縦に伸びる巨大なインフォテイメントディスプレイが確認できる。助手席側がカバーされているためディスプレイが全面に広がっているかどうかは不明だが、オプションで助手席側にサードディスプレイが提供される可能性は残されている。レイアウトはともかく、MBUXインフォテイメントシステムはアップデートされAIが搭載されることは間違いない。
メルセデスベンツは『Aクラス』や『Bクラス』を含む廉価なエントリーモデルを廃止する計画だが、このCLAクーペとCLAシューティングブレークは残される。また新たにクロスオーバーSUVバージョンも計画されており、ラインアップを整理しつつSUVを拡充するとみられる。
CLA次期型では、同ブランドの次世代「MMA」（メルセデスモジュラーアーキテクチャ）プラットフォームを採用し、EVファーストでありながらICE（内燃機関）も設定される。
コンセプトでは、800ボルトの技術を搭載したEVパワートレインを搭載するとされ、250kWの超急速充電により15分で248マイル（400 km）分の充電が可能になるとしていた。軽量で238psを発揮する電気モーターと、466マイル（750km）以上の航続距離を実現するバッテリーの搭載が明かされていたが、果たしてどうなるか。
