30年前、SUVを一般的なものにした、初代トヨタ『RAV4』の先見性【懐かしのカーカタログ】

トヨタRAV4 L/RAV4 J(初代)当時のカタログ画像
トヨタRAV4 L/RAV4 J(初代)当時のカタログ画像全 9 枚

初代トヨタ『RAV4』の発売は、今から30年前の1994年5月のこと。1989年の「RAV-FOUR」、デビュー前年のプロトタイプの「RAV4」(この時にコンセプトモデルの「EV-50」も登場)と、東京モーターショーへの出品を経ての市販化だった。

“RAV4(ラヴフォー)という名のスポーツ”は、最初のRAV4(J)のカタログにあるコピーだが、それまでのオフロード車のイメージに対して、グッと広く一般的なユーザーが目を向けるキッカケを作った最初のSUVでもあった。

トヨタRAV4 L/RAV4 J(初代)当時のカタログ画像トヨタRAV4 L/RAV4 J(初代)当時のカタログ画像

車名は“Recreational Active Vehicle 4wheel drive”を意味し、当初はカローラ店向けの「RAV4 L(Liberty)」とオート店向けの「RAV4 J(Joyful)」が設定された。両車はフロントグリルのパターンが異なった。

モノコック構造、フレームレスのボディはFFベースのフルタイム4WD(1997年には2WDも設定)とし、サスペンションは新開発の4輪独立式が採用された。エンジンは当時の2リットル(3S-FE型)を搭載。4輪ABSもオプション設定で用意された。

トヨタRAV4 L/RAV4 J(初代)当時のカタログ画像トヨタRAV4 L/RAV4 J(初代)当時のカタログ画像

当初に設定された2ドアは、ホイールベースは2200mmの設定で、全長は当時の『カローラII』より235mmも短い設定。キャビン部分のロールバー形状と丸みを持たせたスタイルは個性的だが親しみがもてた。バックドアは横開き式で、開口部高さは地面から545mmと低く使い勝手を高めていた。

1995年にはホイールベースを210mm伸ばし実用性をより高めた4ドア車も登場している。ちなみにホンダ『CR-V』(1995年)、三菱『パジェロ・イオ』(1998年)の登場は、このRAV4よりも後のことだった。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  2. BMW『8シリーズ』初代オマージュの「エディション M ヘリテージ」登場、世界限定500台
  3. スズキの人気トールワゴン『ソリオ』開発責任者が語る、「顔だけじゃない」マイナーチェンジの真価
  4. マイバッハ初の2シーターオープン「SL 680 モノグラム」米国発売へ、約3315万円から
  5. ニックネームは“赤いコスモ”、50年前に登場した2代目ロータリースポーツ【懐かしのカーカタログ】
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る