中国車の世界進出を加速させる「大量生産」と「電動化」のメガトレンド

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世界の電気自動車(EV)分野における競争の激化と保護主義的な規制は、中国のOEMが輸出を拡大しようとする際の課題となっている。

昨年、イタリアはフランスに続き、自動車の排出量だけでなく、製造や流通過程で発生する二酸化炭素排出量も考慮した新たなインセンティブの枠組みを検討していることを明らかにした。この新しい制度は、国内のEV生産を保護し、低価格の中国製EVによるコスト優位性を鈍らせることを目的としている


欧州と日本への進出に目を向ける中国OEM

今日、中国の乗用車(PV : Passenger Vehicle)メーカーは技術の進歩、品質の向上、統合されたバリューチェーン、的を絞った販売戦略によって、輸出台数を伸ばしている。フロスト&サリバンは、中国車の輸出台数が2022年の約230万台から2030年には530万台に増加すると予測している。

中国のPV輸出は現在、ICE(Internal Combustion Engine)車に偏っているが、自動車の電動化という大きなトレンドが将来のさらなる成長の兆しを見せている。世界最大のEV市場として、重要な原材料を含む世界のEVサプライチェーンを掌握し、複数の中国EVブランドが存在し、新モデルを継続的に発表していることから、中国のOEMは世界のEV販売を拡大する上で重要な立場にある。

中国OEMブランド間の国内競争は、製品革新と積極的な価格競争に拍車をかけている。その国内市場での戦いに加え、中国のOEM各社は現在、新しい国際市場、特に欧州と日本への進出に目を向けているのだ。

そうなると、中国のPVメーカーは老舗の国産自動車メーカーと競争しなければならない。 例えば、日本ではトヨタやホンダなどが、欧州ではBMW、アウディ、VW(フォルクスワーゲン)などが相手となる。規制もまた、海外の成長にとってハードルとなる。例えば、いくつかの海外市場では、中国の自動車メーカーは輸入EVに義務付けられた厳しい技術・安全基準を満たさなければならない。このため、中国のEV OEMが税控除や補助金の受給資格を満たせない可能性があるとしても、輸出認証はより困難になるだろう。


《フロスト・アンド・サリバン・ジャパン株式会社》

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