[サウンド制御術・実践講座]クロスオーバー編…サブウーファーの「カットオフ周波数」の設定方法を解説!

「パワードサブウーファー」の一例(DLS・ACW68)。
「パワードサブウーファー」の一例(DLS・ACW68)。全 1 枚

カーオーディオ愛好家の多くは、高性能なサウンドチューニング機能を搭載したユニットを何らかシステムに組み込んでいる。それを活用することで、車内の音響的な不利要因への対処が可能となるからだ。なおその設定はプロに任せるべきではあるが、自分でやっても楽しめる。

当コーナーではそれを推奨し、その操作方法を解説している。現在は、フロントスピーカーとサブウーファー間の「クロスオーバー」の設定方法を説明している。

で、その設定手順としてまずは、フロントスピーカーの低音再生能力、つまりは低域をどこまでスムーズに再生できるかを見極める必要があると説明した。そしてそれが見極められたら、その値をフロントスピーカーの「カットオフ周波数」(通常に再生する範囲の下限)として設定する。

なおここで1点、補足しておきたい。例えば「カットオフ周波数」を80Hzに設定したとき、ドアスピーカーからは79Hzより下の帯域の音が出てこなくなるかというと、答はノーだ。「カットオフ周波数」よりも下の帯域の音は音程が低くなるほどに音量が小さくなるが、スパッと切り取られるわけでないのだ。つまり「カットオフ周波数」とは、「音量の減衰が始まるポイント」ということになる。

さて、フロントスピーカーの「カットオフ周波数」を決めたら今度は、サブウーファーの「カットオフ周波数」を設定しよう。なおサブウーファーのそれは、サブウーファーの音の減衰が始まるポイント、ということになる。なおサブウーファーの場合は、「カットオフ周波数」よりも上の帯域の音が音程が高くなるにつれて減衰していくこととなる。

で、これは基本的にフロントスピーカーの「カットオフ周波数」と同一で良い。ちなみにいうとテクニックとして、サブウーファー側の「カットオフ周波数」をそこから下げたり、逆に上げたりすることは有り得ている。とはいえそのような微調整は最後の最後に行えば良いので、設定途中の段階ではとりあえずフロントスピーカーの値と同一にしておこう。

ところで「カットオフ周波数」は、60Hzから80Hzあたりに設定されることが多い。状況や考え方の違いでさまざまな設定がなされるが、まずはこのくらいの範囲の中に設定しておけば無難だ。これを目安に、いろいろと試して自分なりのベストを見つけ出そう。

なおドアスピーカーがある程度低いところまでスムーズに再生できる場合や、デッドニングが手厚くなされている場合には、フロントスピーカーとサブウーファー間の「カットオフ周波数」は低めに設定されることが多い。参考にしてほしい。

今回はここまでとさせていただく。次回はこの次の手順を説明する。お楽しみに。

《太田祥三》

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