中国の宇通客車(Yutong Bus、ユートン)は、ノルウェーとカザフスタンで行われた極寒の気象条件下での新型EVバスの路上試験を成功させた、と発表した。これにより、公共交通機関の電動化における重要な進展を示した。
カザフスタンでは、マイナス25度の低温にもかかわらず、ユートンのバッテリー電気バスは374kmの航続を記録した。これは、過酷な気候下でのEVバスの性能を示す新たな基準だ。
試験に使用された「E18PRO」モデルは、2024年1月21日に厳しい環境での試験に挑みた。このバスは、延べ1500人を超える乗客にマイナス18-22度の快適な車内環境を提供し、乗客からの高い評価を得た。
E18PROの成功は、リン酸鉄リチウム電池を最適な温度で動作させる液体加熱システムを備えたユートンの先進的なバッテリー技術によるもの。また、19万台の新エネルギー商用車の運行経験を活かし、極寒の運行に適した制御戦略が採用されている。
ノルウェーでも、「U12」モデルがKirkenesでの厳しい試験をクリアした。マイナス33度の中、105kmの試験走行で1.56kw/kmの電力消費を達成し、塩分を多く含む雪の条件下での耐久性も実証された。
ユートンは、331台を超えるEVバスをノルウェーで運行し、公共交通機関の持続可能性向上に貢献している。液冷システムやインテリジェント機能を備えた革新的なアプローチで、電気バス市場におけるリーダーシップを示している。
ユートンの取り組みは、よりグリーンで安全な公共交通システムへの国際的な動きを推進し、バッテリー電気自動車の機能向上を通じてその寄与を明確に示している。