相鉄バスが自動運転実験を実施---運転制御をより高度化

・相鉄バスなど4事業者が自動運転実験

・小型バスで約2kmの区間を運行

・高度化技術と遠隔監視システムを試験

自動運転の実証実験に使用する小型バス
自動運転の実証実験に使用する小型バス全 6 枚

相鉄バス、先進モビリティ、株式会社、横浜市経済局の4事業者は共同で、3月29日と4月1~5日の6日間、横浜市旭区のよこはま動物園(ズーラシア)周辺で、小型バスを用いた自動運転の実証実験を実施する。この実験は横浜市経済局の産業振興支援の一環。

相鉄バスは2019年から2021年にかけて大型バスでの自動運転実証実験を5回実施しており、今回は車両を先進モビリティが保有する小型バス(日野『ポンチョ』ベース)に変更する。実験では、GNSS、3次元点群地図を用いたスキャンマッチング、UWB無線を活用し、バスの運転制御を高度化させる。

今回の実験での自動運転レベルは、運転席に運転士を配置した「レベル2」。将来的には自動運転「レベル4」をめざしている。レベル2は部分運転自動化。システムが前後進(アクセル、ブレーキ)、左右(ハンドル操作)の、両方の車両制御にかかる監視・対応を行なう。ただし対応主体は運転者。レベル4は高度運転自動化。限定領域内で、システムがすべての運転を実施し、対応主体はシステムだ。

実験区間は、ズーラシア正門5番バス停から北門バス停を経由し、正門バス停までの往復約2km。途中での乗降はできない。1日10便が運行される。4月1日から5日までは、一般の人も乗車できる。

◆東海理化が技術提供

また東海理化の遠隔監視システムを用いて、車内外のカメラ映像をリアルタイムで監視し、車両の状況を把握する実験も行なう。東海理化は、遠隔監視システム、乗客検知システム、カメラシステムの3つの技術を提供する。

遠隔監視システムは、車両外に取り付けられた複数のカメラ映像を合成処理し、リアルタイムで遠隔監視センターへ伝送することが可能だ。これにより、運行中の車両の走行状況や車内外の状況を一括監視し、監視者の負担を軽減するとともに、安心・安全な運行を支援する。

乗客検知システムは、画像認識技術を用いて乗客の不安全姿勢を検知し、安全を支援するシステムだ。また、カメラシステムは、1台のカメラで車内遠隔監視と乗客検知を同時に行うことができる。



◆実証実験の内容

使用車両
日野自動車ポンチョベース1台
全長6990mm×全幅 2240mm×全高3120mm

実証項目:蛇行や急ブレーキのない、自動運転プログラムどおりの走行

使用機能:車線維持制御機能
- GNSS(Global Navigation Satellite System=全地球航法衛星システム)
- スキャンマッチング
- UWB(Ultra Wide Band=超広域無線)の有効性も確認
使用機能:速度維持制御機能
- ACC(Adaptive Cruise Control 、車間距離制御装置)
- AEB(Autonomous Emergency Braking 、衝突被害軽減ブレーキ)
使用機能:バス停正着機能

実証項目:実際の運行に耐えられる、あるべき遠隔システム

使用システム:東海理化の遠隔監視システム
- 1車両にカメラ7台(6台+車内1台)を搭載
- カメラの映像を遅延なく 遠隔監視センター へ 送信
- 運行中の車両の走行状況や車内外映像のリアルタイムの確認が可能
- 1台のパソコンで複数車両の一括監視 が可能
使用システム:東海理化の乗客検知システム
- 画像認識技術による乗客の不安全姿勢の検知
使用システム:東海理化のカメラシステム
- 1台のカメラモジュールで「遠隔監視システム」と「乗客検知システム」を同時に対応

《レスポンス編集部》

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