[カーオーディオ 逸品探究]マニア垂涎のド級外部パワーアンプ、『ラ・プリマ シリーズ』の魅力と実力

クワトロリゴ・デシデリオ
クワトロリゴ・デシデリオ全 5 枚

カーオーディオ市場の中で特別な存在感を放つ“逸品”を毎回1つずつ取り上げ、それぞれが“逸品”たり得ている理由を紐解いている当連載。今回は、イタリア発のハイエンドブランド「クワトロリゴ」の旗艦パワーアンプライン『ラ・プリマ シリーズ』にスポットを当てる。

◆近年人気を急峻に高めている「クワトロリゴ」。そのきっかけとなったのは…

「クワトロリゴ」は、ここ数年で特に人気を高めたカーオーディオブランドの1つだ。なお当ブランドは日本に紹介されてからの期間が比較的に短く、しかも当初は今とは異なる「シンフォニ」という名称で「クワトロリゴ」の名が使われるようになってからの月日はさらに短い。しかしながらこの名は、ここ数年で急速に愛好家の間にて浸透している。

その転機は2018年に訪れた。外部パワーアンプの2ndライン『テンポ シリーズ』がその年にフルモデルチェンジされ、そしてその翌年からこれを装着したサウンドコンペカーがコンテストで好成績を収めるようになり、コンペティターの間で次第に支持率を高めていく。

なお『テンポ シリーズ』はシリーズ内のバリエーションが豊富であることも特長で、A級とAB級のモデルとがあり予算と狙うサウンドに応じて好きな機種を選択できる。

かくして「クワトロリゴ」は、新『テンポ シリーズ』にて実力のあるブランドであることが知れわたり、今やマニアの間での定番ブランドの1つともなっている。

クワトロリゴ・プロデジオクワトロリゴ・プロデジオ

◆トップエンドモデルの税込価格はなんと、242万円…

さて、今回紹介する「クワトロリゴ」の旗艦外部パワーアンプライン『ラ・プリマ シリーズ』は、『テンポ シリーズ』がフルモデルチェンジされる前から存在していた。しかしプライスが群を抜いていることもあり使用される率は高くはなく、結果、その実力のほどが話題に上る頻度も高くはなかった。

だが、2022年の秋に開催された「ハイエンドカーオーディオコンテスト」にてその最上位機を搭載したクルマが好成績を収め、かつ試聴した人々の間で評判となり、当機がド級の性能を有するモデルであることが白日の下となる。

その最上位モデルとは、『ラ・プリマ シリーズ デシデリオ』だ。ちなみに当機の税込価格はなんと242万円。なお当機は2chモデルなので、もしもこれにてフロント3ウェイ+サブウーファーのすべてを駆動しようとするなら計4台が必要となり、外部パワーアンプの購入費用だけで税込1000万円近くが必要となる。その価格の高さは比類をみない。

そしてその音質性能も、他とはくっきりと一線を画す。解像度やS/Nが図抜けて高いのはもちろんのこと、楽曲の感動力を引き出す力が顕著に大きい。試聴をすると、ただただ演奏の世界観に引き込まれるのみだ。

『クワトロリゴ・デシデリオ』を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:イングラフ<青森県>)。『クワトロリゴ・デシデリオ』を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:イングラフ<青森県>)。

◆2台のAB級モデルと、1台のA級モデルの計3機種でラインナップを構成!

さて、『ラ・プリマ シリーズ』には3モデルが名を連ねている。トップエンドに君臨するのが先述した『デシデリオ』で、それに続くのが『プロデジオ』(税込価格:121万円)だ。なお当機も『デシデリオ』と同じくAB級の2chモデルで、1chあたりの定格出力は200Wとなっている。ちなみに『デシデリオ』は定格375W×2chというハイパワーを誇るのでそれと比べると非力だが、当機も十二分にスーパーハイエンドモデルだ。価格的にも性能的にも一般的なハイエンド機とはレベルが異なる。

そしてもう1台が、『プレステジオ』(税込価格:77万円)だ。なお当機のみ動作方式がA級だ。そしてその仕組みゆえに消費電力量が多めであるので、定格出力は控えめだ(65W×2ch)。しかしながら他の2台とはまた違う魅力を携えている。A級ならではの暖かみのある音色を満喫可能だ。

というわけで『ラ・プリマ シリーズ』は『プレステジオ』であってもおいそれと手にできるモノではないが、音を聴くことは不可能ではない。もしも試聴の機会が訪れたら、そのチャンスを逃すことのなきように。音を体験するだけでも、人生の貴重な経験となるはずだ。

《太田祥三》

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