マツダ、ロードスターなど5車種の試験で不正確認…毛籠社長「責任を重く受け止めている」

マツダ2
マツダ2全 2 枚

マツダは6月3日、型式指定の申請に関する社内調査で、『ロードスターRF』(2018年7月販売開始)および『マツダ2(1.5リットルガソリン)』(2021年6月同)の2車種の出力試験でエンジン制御ソフトの書き換えを行っていたことが判明したと発表した。

またすでに生産を終えている『アテンザ』(販売時期2015年1月~2018年5月頃)、『アクセラ』(同2016年9月~2019年3月頃)、『アテンザ/マツダ6』(同2018年6月~)の3車種では衝突試験で使用した試験車両に不正加工があったことも明らかにした。該当車両は5車種合計で約15万台。

マツダの毛籠勝弘社長は同日都内で会見し、「国土交通省から要請を受けていた型式指定申請における実態調査において2つの試験項目において是正すべき点があることを確認し、5月30日に同省に報告した」と説明。

是正すべき具体的な事案については「前面衝突試験においてエアバッグの時間指定起爆を行った。ガソリンエンジン出力試験においてエンジン制御のソフトの書き換えを行った」と明かした。

その上で「認証はお客様に安心して当社のおクルマにお乗り頂くための安全、環境性能など様々な基準を満たしていることを国に審査、確認頂くものであり、法令で定められた適正プロセスを保障し結果を保障することは自動車メーカーの責務。今回理由の如何に関わらず、その認証において不正と言わざるを得ない事案が発生したことについて経営としての責任を重く受け止めている」と陳謝した。

一方、当該車両のうちすでに生産が終了している3車種について毛籠社長は「社内の技術検証および再試験を行い乗員保護性能については法規が定めた基準を満たす性能を有していることを確認している。従って対象車両をお使いのお客様におかれては、引き続きお乗り頂いて安全性の問題はない」と述べた。

エンジン出力試験で制御ソフトの書き換えがあった現行2車種に関しては「5月30日より出荷停止を行っている。納車をお待ち頂いているお客様にはご不便、ご心配をおかけするが、速やかに法規適合性の確認など適切な対応を監督官庁のご指導の下、進めていく」とした。マツダによると現行2車種の不正は安全性に関連するものではなく、引き続き使用できるとのことだ。

さらに毛籠社長は「調査の結果をみると組織ぐるみの隠ぺいであるとか、悪意による改ざんという事案ではなかったという認識している」と強調、「まずお客様への対応、監督省庁のご指導のもと是正に動いていくということにまずはフォーカスをあてていきたい」とも話していた。

一連の不正が起きた原因について小島岳二取締役専務執行役員は「5件の不正事案に共通するものとして、法令に対する独自解釈の介入を排除することが会社として十分できていなかった点だと考えている」と説明。

その上で「同様の事案を起こさないよう再発防止策として3点を実行していく。1点目は試験が認証法規に準拠した状態で実施されたかをチャックする仕組みおよびガバナンス体制の再整備。2点目として認証法規に準拠した試験を正しく実施するための手順書の見直しと教育を徹底していく。3点目は認証法規に準拠した試験条件を安定的に満たす設備の整備や強化を継続的に実行していく」と述べた。

《小松哲也》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る