紙のカタログにはオンラインにはない“夢”があった…初代BMW 1シリーズ【懐かしのカーカタログ】

BMW 1シリーズ(初代)当時のカタログ
BMW 1シリーズ(初代)当時のカタログ全 10 枚

社内コード「E87」と呼ばれた初代BMW『1シリーズ』は、2004年7月に本国ドイツで発表、同じ年の10月から日本でも発売された。それまでの『3シリーズコンパクト』に代わり、BMWがCセグメントに本格参入を果たした初のモデルでもあった。

BMW 1シリーズ(初代)当時のカタログBMW 1シリーズ(初代)当時のカタログ

基本は2ボックススタイルの5ドア(4ドア+ハッチバック)。当時の『3シリーズ』(E46)とカタログ数値で比べると、全長(-230mm)、ホイールベース(-65mm)こそ短かったものの、全幅(+10mm)、全高(+15mm)は1シリーズが上回っていた。ただしCセグメントというとVW『ゴルフ』などライバル車がFFなのに対し、BMWらしくFRを採用、フロントの短いオーバーハングとボディに対し長いホイールベースを特徴とした。

BMW 1シリーズ(初代)当時のカタログBMW 1シリーズ(初代)当時のカタログ

最初のカタログに掲載された搭載エンジンは4気筒で3機種。1.6リットル(116i)と2リットルの2機種(118i、120i)だった。組み合わせられるトランスミッションはロックアップ・クラッチ付きの電子油圧制御式6速AT。本国仕様ではほかに2リットルのディーゼルターボが用意された。サスペンションはフロントがストラット、リヤが5リンクで、これは1シリーズ専用に設計されたもの。

BMW 1シリーズ(初代)当時のカタログBMW 1シリーズ(初代)当時のカタログ

外観はカタログ写真のとおり。今見ると非常にシンプルなキドニーグリルや、1枚のアウターカバーで覆われたヘッドランプ、ホフマイスターキンクと呼ばれた、サイドウインドゥ後端の特徴的なグラフィックが懐かしい。

BMW 1シリーズ(初代)当時のカタログBMW 1シリーズ(初代)当時のカタログ

同様にインテリアもシンプルなアナログ2眼メーターを始め、コンパクトながら当時のBMWらしいデザインで仕上げられていた。リモコンキーをスロットに差し込み、ボタンを押せばエンジンが始動する方式を採用。

BMW 1シリーズ(初代)当時のカタログBMW 1シリーズ(初代)当時のカタログ

当時のカタログは、いわばBMWではエントリー車のこの1シリーズでも他のモデルと共通の丁寧なつくり。ボディカラーやシート、インテリアカラーが、リアルな印刷で見ることができるページが用意されていた。今どきのネットで試せるコンフィグレーションも便利だが、こうした紙のカタログのカラーチャート眺めながらあれこれ夢を膨らませるのは楽しみだった。

BMW 1シリーズ(初代)当時のカタログBMW 1シリーズ(初代)当時のカタログ

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  3. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
  4. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
  5. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る