川崎重工、潜水艦修理巡り海自隊員を接待、下請け会社との架空取引の裏金を流用[新聞ウォッチ]

川崎重工業
川崎重工業全 1 枚

「好事魔多し」や「寸善尺魔」とは、良いことがあっても、悪いことに邪魔をされやすいという意味のようだが、きのう(7月3日)の東京株式市場で年初来高値を更新したほどの絶好調ぶりの川崎重工業も、そんなことわざが当てはまるようだ。

川崎重工業が、海上自衛隊から請け負った潜水艦の修理で、資材の調達先企業との間で架空取引を行い、捻出した裏金を飲食などに不正に流用していたなどの不適切な行為があったことが判明した。

きょうの朝日が1面準トップで「川重、裏金で海自接待か」と報じたほか、社会面にも「裏金原資に癒着横行、接待疑惑、川重施設で共同作業」などのタイトルで「自衛官らに、商品券などの多額の金品が渡っていた疑惑が発覚した」などと、関連記事を掲載。

川崎重工側も飲食や物品の購入などに不正に流用していた事実を把握し、特別調査委員会を設置して実態解明を進めるなどとの発表を受けて、きょうの読売や毎日など各紙も社会面などに取り上げている。

また、防衛省も、川崎重工から架空取引や隊員への金品・物品の提供などの疑いがあるという報告を受けたと発表。隊員が利害関係者から金品や物品を受け取ると自衛隊員倫理法に抵触する可能性があり、便宜供与の有無も含めて調査中としている。

架空取引が確認されたのは神戸造船工場修繕部。大阪国税局の税務調査を受けて発覚したという。2024年3月期までの6年間に十数億円の申告漏れを指摘され、追徴税額は約6億円になる見通しだとも伝えている。

川崎重工の説明によると、裏金の一部は海自の潜水艦の乗組員との飲食を伴う懇親に流用。潜水艦の修理・点検では従業員と海自の乗組員が数か月にわたり協力して作業に当たることから、交流を深めるためだったという。商品券や修繕に用いる工具類、生活用品も購入されており、乗組員との間で受け渡しがあったかどうかを調査するともしており、詳しい実態の解明は続報を待つしかないようだ。

2024年7月4日付

●テスラ低迷続く、EV販売数2期連続割れ4~6月、中国勢に苦戦 (読売・8面)

●ガソリン価格2週連続上げ、175.6円来週も上昇か (読売・8面)

●川重、裏金で海自接待か、潜水艦多数隊員に、国税十数億円把握 (朝日・1面)

●日本車、米販売10%増、6社上半期、HVやSUV好調 (毎日・10面)

●「日本資本主義の父」いまも存在感、渋沢栄一関連167社(産経・10面)

●6月総会、賛否を読む、賛成率5~6割相次ぐ、資本効率に懸念、役員選任反対多く(日経・23面)

《福田俊之》

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