いすゞ自動車は7月24日、都内のイベントホールで小型ディーゼルトラック『ELFmio(エルフミオ)』の発表会を行った。「だれでもトラック」をキーワードに開発し、価格は365万5000円(税抜)で、2024年度5000台の販売を目指す。
「いすゞはトラックが運転することが難しいというイメージを払拭したい、という思いから中型免許がなくても、オートマ限定免許であっても、誰もが乗れる総重量3.5トン未満の小型トラックの開発に挑戦してきた」と南真介社長は話し、その完成形が今回発表したエルフミオだという。
物流業界は「2024年問題」に象徴されるように、トラックドライバー不足が深刻になっており、このままでは多くの荷物が運べない事態になりかねない。そのためトラックドライバーの人材確保が喫緊の課題となっている。そこで、いすゞはそんな社会課題を解決する一助になればと、ドライバーの裾野を広げるトラックを目指した。
「エルフミオは、トラックに初めて乗る方でも安心して運転できる操作性や取り回しの良さ、安全機能を備えた簡単、安心、便利なトラックだ」と南社長は説明し、自身が運転した感想をこう話す。
「まずコンパクトなキャビンで、車高も高くないので乗りやすい。中に入ると、前後左右の見通しがいい。最小回転半径が非常に小さいということで、日本の狭い道での回転がスムーズにできる。乗ってみるとわかると思うが、乗用車と同じ感覚で乗れる。だれでもトラックと言っているが、どなたでも気軽に運転できるクルマであると、私も実感した」

商品統括チーフエンジニアの上田謙執行役員によると、だれでも運転しやすい車両にするために様々な工夫が施されているとのことだ。例えば、細やかなシートスライドピッチと余裕のヘッドクリアランスによって、大柄な人から小柄な人まで最適なドライビングポジションで運転できるという。また、乗用車感覚で操作できるように、ステアリングにスイッチを設け、手元で各種操作を可能としたうえ、ステアリング自体も小型化して扱いやすいようになっている。