武骨なオフロード4WDとは一線を画した、初代『エスクード』【懐かしのカーカタログ】

スズキ・エスクード(初代)当時のカタログ
スズキ・エスクード(初代)当時のカタログ全 8 枚

まだSUVの呼び名は日本では一般的ではなく「クロカン」、「4駆」などと呼ばれていた頃の1988年5月、スズキから颯爽と登場した「ライトクロカン」が、この初代『エスクード』だった。

スズキ・エスクード(初代)当時のカタログ

最初に登場したのはハードトップ、同・バン、コンバーチブルの3タイプ。全長3560mm×全幅1635mm×全高1665mm、ホイールベース2200mmのコンパクトなボディサイズだった。

何といってもインパクトがあったのは洗練されたスタイルで、それまでのいわゆる武骨なオフロード4WDとは一線を画すデザインは注目を集めた。前後にブリスターフェンダーを採用し、先進的なフラッシュサーフェスの姿カタチは今見てもまったく古さは感じない。トップと後部に簡単な操作で脱着可能なソフトトップを採用したコンバーチブルも魅力的な存在だった。

インテリアも乗用車的な快適性を追求したもの。当時のカタログを読むと、ダッシュパネルやフロアに制振材、エンジンフード裏にはウレタンとガラス繊維を組み合わせたサイレンサーが貼ってある、と記されている。

一方でメカニズムは本格的で、ラダーフレーム構造を基本にし、サスペンションはフロントがストラット、リヤにはトレーリングリンクwithセンターウイッシュボーンと呼ぶリジッドアクスル方式を採用。ストロークは前後とも160mmとカタログにも記されている。搭載エンジンは1.6リットルでスタートしており、トランスファーをトランスミッションと一体化したセンタースルー方式を採用していた。

この初代エスクードの時代の1990年には、ホイールベースを2480mmに伸ばし5ドア5人乗りとした「ノマド」も設定。さらに1994年になると、スズキ初の6気筒(V6・2000)搭載車もラインアップに加わった。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
  2. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  3. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  4. ヤマハの3輪スクーター『トリシティ』が進化! SNSでの注目は「デザイン」と「屋根が付くか」
  5. レクサス『IS』改良新型、米国はハイブリッドなし..V6ガソリンだけを設定
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る