水没! 生死を分ける「緊急脱出用ハンマー」とその置き場所[再掲]

緊急脱出用ハンマーの一例。
緊急脱出用ハンマーの一例。全 3 枚

カーライフにまつわる「社会・経済」ネタをアトランダムに紹介している当連載。今回から数回にわたっては、本格的な台風シーズンに突入しつつあることを踏まえて、水災への備えについて解説していく。まず今回は、「緊急脱出用ハンマー」にフォーカスする。[再掲]

さて、「緊急脱出用ハンマー」とは、緊急時に車外に脱出できるように窓ガラスを割るためのアイテムだ。

なお、「これを備えるのは過剰な用心なのでは?」と思うドライバーもいるかもしれないが、クルマが水没するような水災は毎年のようにどこかしらで発生している。そしてもしもマイカーが深く水没するような事態に見舞われたら、車内から脱出できないと命を落としかねない。「緊急脱出用ハンマー」は、そのときの命綱となる。

というのも、クルマは水没するとドアが開きにくくなる。水圧がかかるからだ。ただし車内にも水が入り込み車内外の水圧差が少なくなるとドアは開けやすくなる。とはいえドアが大きなミニバン等ではそれでも簡単には開けられない場合も多い。そして水没時には、水の影響でパワーウインドーが動作しなくなることがある。そうなったら、「緊急脱出用ハンマー」で窓ガラスを割るしかないのだ。

ちなみに、国土交通省ではこれの使い方を解説する動画をYouTubeにて公開している。タイトルは『豪雨に備えて、車に脱出用ハンマーを備えましょう!~脱出用ハンマーの使用方法と選び方~』だ。これを観れば「緊急脱出用ハンマー」のことがさまざま分かるので、時間を作ってぜひ観てほしい。

で、当動画内で説明されていることの中で特に重要な事項があるので、ここではそれらを紹介しておきたい。ポイントは3つある。

1つ目は、「シートベルトカッターを装備したものを選ぶこと」だ。国交省の動画の中では「シートベルトカッターの付いたものを選ぶべき」とは語られてはいないが、水没したとき、さらにはその他のトラブルのときにもシートベルトが外れなくなることが有り得る。そのようなケースも想定するなら付いているものの方が安心だ。

2つ目は、「シートベルトをしたままでも手の届くところに置いておくこと」だ。保管に際しても、シートベルトが外れなくなることを想定しておく必要がある。車内にあっても、手に取れなければ使えない。

3つ目は、「運転席の窓ガラスが“合わせガラス”ではないことを確認しておくこと」だ。基本的にクルマのフロントウインドーには“合わせガラス”が使われていて、実はこれは「緊急脱出用ハンマー」では割れない。対して、サイドガラスは“合わせガラス”ではない場合の方が多いが、一部“合わせガラス”が使われていることもある。なのであらかじめサイドガラスのタイプを確認し、割れるガラスがあることを把握した上で「緊急脱出用ハンマー」を購入しよう。

“備えあれば憂いなし”だ。「緊急脱出用ハンマー」の導入の検討をする価値はすこぶる高い。参考にしてほしい。

《太田祥三》

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