破壊的イノベーションは常に正しいのか? キャディが提案する資産化による新しい勝ち筋[インタビュー]

破壊的イノベーションは常に正しいのか?キャディが提案する資産化による新しい勝ち筋[インタビュー]
破壊的イノベーションは常に正しいのか?キャディが提案する資産化による新しい勝ち筋[インタビュー]全 1 枚

来たる10月8日、オンラインセミナー「10年先の未来を創る、今求められる自動車産業のDXとは~テスラ、BYDに負けない日本ならではの勝ち方~」が開催される。セミナーのゲスト講師として登壇するのは、キャディ株式会社 Drawer事業本部 Enterprise事業部 Enterprise営業部長 兼 Maker事業部 第三営業部長の永田一真氏。モデレーターは、スズキマンジ事務所 代表(株式会社デンソー 技術企画部 CX)鈴木万治氏だ。

今回のセミナーは以下のテーマで進められる。

1. 日本の製造業/自動車産業DXの現状
2. 成長のための資産化
3. 製造業AIデータプラットフォームCADDi
4. モノづくり産業を変えよう
5. 対談・質疑応答

講演の後には、参加者からの質疑応答やディスカッションの時間が用意されている。

セミナーの見どころを永田氏に聞いた。


CASEに始まる自動車業界の変革は、電動化、SDV、自動運転、ソフトウェアシフトといった技術トレンドに広がっている。このような変革の多くは、いわゆる「破壊的イノベーション」によってもたらされる、と一般には信じられている。

破壊的イノベーションの検証

確かに変革や改革は、旧来からの体制やしくみの入れ替え、刷新を伴う。これまでの積み重ねを破壊して創造することだ。だが、本当にそれだけだろうか。「創造は常に破壊から生まれるとは限らない。これまでの積み重ねを活用して創造する方法が、日本の新たな勝ち筋ではないか」 こう唱えるのは、キャディ Drawer事業本部 Enterprise事業部 Enterprise営業部長 兼 Maker事業部 第三営業部長の永田一真氏。同社は、多くの製造業に対して技術文書、図面、情報資産の評価分析・データサイエンスを得意とする会社だ。

イノベーションの世界ではゼロから1を作り出すという表現をすることがある。これまでのやり方ではない方法、存在しなかった方法を考案し、新しい事業・市場を作ることを意味する。既存ビジネスの延長・改善ではなく、ゼロの状態からスタートする。強みは、過去のしがらみや資産にとらわれたりすることない自由度、競争軸さえないところでの先行者利益などを挙げることができる。

他方で、破壊的だからと言って必ずしも成功しているわけではない。破壊的な分、リターンが大きいがリスクも大きい。イノベーションとして認知されるのは成功者の結果論でしかない。イノベーションの原動力となる革新技術も、ほとんどのものが技術体系のツリーをたどることができる。科学技術こそ先人の知見を土台として成り立っているものだ。永田氏がいう「積み重ねの活用で創造する」ことは、むしろ科学技術の王道だろう。

蓄積を生かすときの盲点:車輪の再発明

だが、現実には実績や積み重ねが多い企業が成功するとも限らない。なにがいけないのだろうか。

「そもそも、テスラのような新規参入は利用すべきものがないので、ゼロスタートになるわけで、これまで積み上げてきたものがある企業が、それをすべて捨てるなんて簡単にはできないし、下手をするとQCD(Quality、Cost、Delivery)がものすごく悪化してしまって会社そのものが立ち行かなくなるかもしれない。現実的ではない。新しいものを作る、新しい取り組みをするといっても、過去のリソースを生かせるもの、発展させられるものがあるはずです。しかし、製造業のあるあるとして車輪の再発明の問題があると思っています」(永田氏)


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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