約300万円の中国EVが欧州市場に本格参入、背景にあるステランティスの戦略とは

リープモーター T03
リープモーター T03全 5 枚

中国の新興EVメーカー、リープモーター(零跑汽車)は9月24日、欧州市場への本格参入を開始した、と発表した。小型EVの『T03』は、現地ベース価格1万8900ユーロ(約305万円)からだ。

【画像全5枚】

同社は現在、イタリア・ミラノで初となる欧州メディア向け試乗会を開催している。この試乗会では、同社の『C10』と『T03』モデルが披露され、ミラノ市内やマッジョーレ湖畔で試乗が行われている。

リープモーターは中国のEV市場で急成長を遂げている企業で、今回の欧州進出は同社にとって重要な一歩となる。この背景には、2023年10月に発表されたステランティスとの戦略的提携がある。ステランティスは約15億ユーロを投資してリープモーターの株式約21%を取得し、さらに両社で合弁会社「リープモーター・インターナショナル」を設立した。

この合弁会社は、ステランティスが51%、リープモーターが49%の出資比率で、中国以外の地域でリープモーター製品の輸出・販売・製造の独占的権利を持つ。両社の狙いは、ステランティスのグローバルな販売網を活用して、リープモーターの高性能かつ手頃な価格のEVを世界中で販売することにある。

リープモーター・インターナショナルは、2024年末までに販売拠点を350カ所に増やすことを目指している。また、今後3年間で毎年1モデルずつ新車を投入する計画だ。年内には、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、ルーマニア、スペイン、スイス、イギリスの13カ国で販売を開始する予定である。

C10とT03は、最新の電気自動車技術を搭載し、高い性能と効率性、安全性、航続距離を誇る。特にC10は、リープモーターが初めてグローバル市場向けに開発したSUVで、国際的な安全基準やデザイン基準に準拠している。一方、T03はコンパクトな5ドアのAセグメント車で、都市部での使用に適している。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ダイハツ『ムーヴ』開発責任者が語る、スライドドアを採用した「3つの理由」
  2. 「本気の電動二輪が出てきた」ホンダ初のフルサイズEVバイク『WN7』発表にSNS沸く
  3. 「じゃじゃ馬っぽくていい」ホンダ『ヴェゼル RS』先行公開に早くも反響! デザインと性能に注目
  4. ヤマハの3輪スクーター『トリシティ』が進化! SNSでの注目は「デザイン」と「屋根が付くか」
  5. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る