驚異の制動力アップ! ローター径拡大がもたらす2大メリットとは?~カスタムHOW TO~

驚異の制動力アップ! ローター径拡大がもたらす2大メリットとは?~カスタムHOW TO~
驚異の制動力アップ! ローター径拡大がもたらす2大メリットとは?~カスタムHOW TO~全 3 枚

ブレーキチューンといえば、まず初歩はパット交換。だが、大きく制動力をアップさせるのに重要なのはキャリパーとローター交換だ。このキャリパー&ローター交換と同時に行われることが多いのがローター径のアップである。ではなぜローター径を大きくしたいのか?

◆ブレーキローター径を大きくするメリットとは

ローター径を大きくすることのメリットは大きく分けて2つある。1つはローター径を大きくすることで、単純に制動力をアップさせられるということ。

テコの原理と同じで、回転の中心から遠ければ遠いほど小さな力でその回転を止められる。回転の中心に近いほど、大きな力でなければ、その回転を止めることができない。そのためローター径が大きくなると、これまでと同じ力でブレーキパッドを押さえつけてもブレーキが効くようになるのだ。

車種によっては純正キャリパーをそのまま大きなローターに組み合わせるキットが売られている場合もある。この場合、ビックローターとセットでキャリパーをオフセットするためのステイがついてきて、そのステイによってキャリパーをローターに合った位置にすることで、キャリパーもパットもそのまま制動力を底上げすることができる。

もうひとつローター径を大きくするメリットがある。それが大きなローターに合わせた形状のパッドを使えることだ。これにはキャリパー交換も必須になるが、大きなローターに合わせてローターのできるだけ外径の大きい部分に沿った形で長いパッド形状にすることができる。

それによってパットの面積を大きくできるので、摩擦できる面積も増えるし、ローターの外側の方をつかみ抑えることで、効率よく制動力を引き出すことができる

またローター径が大きくなると、ローター自体の体積も大きくなるので、同じ減速をして同じ熱が発生したときに体積が大きい分、ローターの温度も上がりにくくなる。そのため同じ状況で走ってもローターの温度を抑えることができ、熱のダメージを緩和することができるのだ。そのため、ローター径を大きくするとブレーキパッドへの負担が減る。

例えば、サーキット走行をしているときに、これまでかなり金属成分の多いスポーツパッドでなければ耐えられなかったようなシチュエーションでもローター径を大きくしておくと、温度が下がりそれほどの制動力も必要とされないため、ストリートパッドに近い金属成分の少ないブレーキパッドを使うことができるようになる。

そうするとブレーキパッドの価格も抑えられるし、パッドやローターも減りにくく、超寿命になる。ホイールも汚れにくくなる。

◆メリットもあればデメリットも。しっかりと理解してから交換しよう

デメリットとしては、ブレーキローターが大きく重くなることによってバネ下重量が増えてしまうことと、装着できるホイールに制限が生まれてしまうことがある。

ローターは大きく重くなるほどサスペンションのスプリングよりタイヤに近い側の、いわゆるバネ下と呼ばれる部分が重くなってしまう。この部分が重くなるとタイヤの路面追従性が悪くなりやすい。そのため制動力が十分にあり、特にブレーキローター径をアップする必要がなければ、そのままの大きさの方が足周りの路面追従性は高いので、ハンドリングは良い傾向にある。

もう一つ問題になるのは装着できるホイールだ。ローターが大きくなると、その分スペース的に厳しくなり、装着できるホイールに制限が生まれる。16インチのホイールが装着できたクルマが、17インチ以上のホイールしか装着できなくなるなど、使えるホイールが制限されてしまうのだ。

またスポークがストレートなタイプではキャリパーと当たってしまい使えない。湾曲したスポークを使ったコンケーブしたフェイスのホイールでないと装着できなくなったりする。そういったデメリットもあるチューニングがローター径のアップなのだ。

ただブレーキキャリパーやローターを交換するチューンは見た目にも大きく変わり、ドレスアップ効果も高い。またホイールいっぱいのサイズのキャリパーローターは迫力がありかっこいいと捉える人も多い。

そういった見た目の効果を狙ったブレーキ、キャリパー、ローター交換チューンと言う手もある。その場合には、バネ下重量が増えたり、ホイールを選ばなければならないなどある程度の制限もあるが、見た目と安心感のある制動力、安定したペダルタッチのブレーキを手に入れられるメリットは大きい。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「このご時世でも価格は据え置き!」31万円台で発売の125ccラグジュアリースクーターに熱視線
  2. メルセデスベンツの次世代高級ミニバン、『VLS』と『VLE』として市販化へ
  3. 『ディフェンダー』に2026年モデル、新ヘッドライトと大型タッチスクリーン採用
  4. 8人乗りのフォルクスワーゲン登場! 選択肢広がるミニバン『マルチバン』
  5. 3列シートの「マッスルSUV」米国での人気が加速!2026年は「V8」主力に大刷新
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 【調査レポート】ベトナムにおけるモビリティ市場調査~13社(四輪・二輪)の最新動向~
  2. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
  3. シェフラーがヴィテスコ合併後初の出展、ポートフォリオ拡大と顧客対応力をアピール…人とくるまのテクノロジー展2025
  4. 三菱『エクリプスクロス』次期型、初のEVを欧州投入へ
  5. トヨタが新型アウトドア系BEV『bZ Woodland』発表、日本では2026年春頃発売へ
ランキングをもっと見る