スズキが新型コンパクトSUV『フロンクス』を発売…価格は254万1000円から、激戦の市場セグメント

スズキ・フロンクス
スズキ・フロンクス全 20 枚

スズキは10月16日に、新型コンパクトSUVの『フロンクス』を日本市場向けに発表・発売した。「扱いやすいクーペスタイルSUV」をコンセプトに、力強さと洗練とを兼ね備えたデザインが特徴。

フロンクスはスズキが世界戦略車として展開している車種だ。インドのグジャラート工場で生産され、日本に輸入される。16日に東京都内で開催された発表会で、スズキの鈴木俊宏社長は「世界70カ国以上で愛用されているフロンクスを、日本の顧客へお届けする」とあいさつ。

◆日本仕様を作り込む

開発責任者の森田祐司チーフエンジニアは「グローバルモデルとして世界各国に投入するにあたって、どの国でも同じ仕様のモデルを販売するのではなく、各国のニーズや道路事情に合わせた設定を導入するよう開発してきた」と説明する。フロンクスも、パワートレインや安全技術、走行性能など、日本の顧客や道路事情、環境に合わせ、日本独自の設定としている。

エクステリアは、流麗なクーペスタイルと存在感のあるフロントマスク、ダブルフェンダーにより力強さを演出。インテリアはブラック×ボルドーの配色と高輝度シルバー塗装で、スポーティかつ高級感を持たせた。ボディサイズは日常での扱いやすさを追求しつつ、後席の広い足元空間を確保している。静粛性を高めるためにダッシュインナーサイレンサーや遮音壁を採用した。

走行性能は、1.5Lエンジンのマイルドハイブリッドと、6速オートマチックトランスミッション(6AT)との組み合わせで、力強い加速とスムーズな走りを提供。日本国内専用仕様として4WD車も設定されている。安全機能にはデュアルセンサーブレーキサポートIIやアダプティブクルーズコントロール、車線維持支援機能などを標準装備。経済産業省や国土交通省が推進する「サポカーSワイド」や「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)」認定車に該当する。

スズキ・フロンクススズキ・フロンクス

◆ライバル車とユーザー像

フロンクスの日本での市場について、日本営業本部の玉越義猛本部長は、「フロンクスの属するSUVカテゴリーは、登録乗用車市場において最も大きなボリュームを占めている。SUV市場の中でBセグメントは、2番目の販売ボリュームとなっている」と説明する。ライバル車は、森田チーフエンジニアによると「開発初期はダイハツ『ロッキー』を、最近はトヨタ『ヤリスクロス』を気にしていた」という。

フロンクスの想定ユーザーについて、森田チーフエンジニアは「スタイリングや質感にこだわり、個性的でユニークなデザインに惹かれる人。自ら運転する操作を楽しみながら安心安全に移動したい人。平日はパーソナルユースとして通勤や買い物に、休日は家族や友人を乗せてドライブに、両方で使いたい人。このようなユーザーを中心として幅広い世代」と期待する。

◆存在感のあるデザイン

エクステリアデザインは、バックドアが傾斜したクーペスタイルに加え、大きく回り込むフェンダーや二段式のヘッドランプを採用し、存在感のあるデザインを意図した。ダブルフェンダーによって力強さを強調し、LEDデイタイムランニングランプや横一文字のテールランプによって高級感を演出している。

インテリアデザインでは、ブラックとボルドーの配色によりスポーティで高級感のある空間を意図した。さらに、高輝度シルバー塗装の金属フレームやパールブラック塗装を施したガーニッシュが、デザインの洗練を主張している。

スズキ・フロンクススズキ・フロンクス

◆コンパクトなサイズと最小回転半径

フロンクスは全長3995mm、全幅1765mm、全高1550mmのボディサイズを持ち、最小回転半径は4.8mと、狭い路地や駐車場でも取り回しやすい設計とした。全長3860mm、全幅1695mmの『スイフト』(2WD車)と同じ最小回転半径だ。また、遮音性を高める構造により、静かで快適な室内空間を実現したという。210Lのラゲッジスペースを確保し、利便性に配慮している。

パワーユニットは、1.5L「K15C」型エンジンとマイルドハイブリッドを搭載し、6ATを介してスムーズでスポーティな走りを提供する。スポーツモードを使用することで、より力強い加速が可能だ。日本専用仕様として4WDモデルが用意されており、スノーモードやグリップコントロールなどの機能が搭載されている。

日本営業本部の玉越本部長は「4WDの割合を2~3割と予想していたが、受注状況はそれを大きく上回った。日本向けに入れたことが評価された」と明かす。

新型フロンクスの月間目標販売台数は1000台で、メーカー希望小売価格(消費税込み)は2WDが254万1000円、4WDが273万9000円である。

《高木啓》

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