ロータリー搭載計画もあった、2代目『シルビア』の“クリスタルな輝き”【懐かしのカーカタログ】

日産 シルビア(S10型)当時のカタログ
日産 シルビア(S10型)当時のカタログ全 9 枚

SP310型ダットサン『フェアレディ』のシャシーにクリスプカットのクーペボディを載せた初代『シルビア』は、高価で希少なクルマだった。その生産終了後、7年の空白を経て1975年に登場したのが、シルビア名義では2代目となるこのモデルだった。

もともとはロータリーエンジンの搭載が予定されていた。が、当時のオイルショックを受け、燃費の問題から当初の計画はキャンセル。搭載エンジンは当時の『ブルーバードU』などが搭載した直列4気筒・1770ccのL18型のシングルキャブ仕様とし、追ってEGI付きが設定されるなどした(写真のカタログはその時のもの)。

日産 シルビア(S10型)当時のカタログ日産 シルビア(S10型)当時のカタログ

磨きあげられた宝石にも似た、クリスタルな輝きとクールさを秘めたボディライン……これはカタログにある一節だが、ご覧のような極めて独創的な外観スタイルは印象的だった。

当時といえば『サニークーペ』(B210型)、『バイオレット』(710型)など曲線的なクルマが多かったが、その中でもスペシャルティカーの位置付けのシルビアは、際立って個性を主張。彫りの深いフロント部、真一文字に横長のリヤコンビランプ、リヤピラーに向かって切れ上がったサイドウインドゥグラフィックなど、今みても新鮮に思える。ただしサニーをベースとしたためボディに対しトレッドが狭く、そのことは残念だった。

日産 シルビア(S10型)当時のカタログ日産 シルビア(S10型)当時のカタログ

ただしスペシャルティカーらしく装備は奢られ、タコメーター、油圧計、電圧計のほか、アームレスト付きセンターコンソール、リモコンミラー、パワーウインドゥなどを装備。シート表皮は最上級のLSE TYPE・Xでは高級モケット織クロス。フロアシフト(4速と5速の設定があった)のシフトブーツが“革ひも”で結んであるのがこの時代らしい。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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