アウディ『TT』生産終了…コンセプトカーから29年、66万台[フォトヒストリー]

初代アウディTT
初代アウディTT全 35 枚

アウディは11月15日、最後の『TT』がハンガリーのジュール工場の塗装ショップを後にした、と発表した。

【画像全35枚】

最後のTTはクロノスグレーの「TTS」だった。四半世紀以上の歴史で66万2762台が生産されたうちの最後の1台は、ドイツのインゴルシュタットにあるアウディの歴史車両コレクションに、然るべき場所が用意されるという。

[2023年2月26日公開の記事を改稿・再掲]

TTは、1995年のフランクフルトモーターショーで「TTコンセプトスタディ」として初めて世界に発表された2ドアのスポーツクーペだ。のちにロードスターも追加された。

初代TTは、カーデザイン史上最も影響力のあったモデルのひとつとされる。発表以来、歴代のTTはアウディの「走る喜び」、デザイン、ディテールへのこだわりを象徴してきた。コンセプトカー発表から29年、公道仕様発売から26年の歴史を振り返ろう。

アウディTTコンセプトのデザイン開発スケッチアウディTTコンセプトのデザイン開発スケッチ

●1995年:TTコンセプト

アウディは1995年9月、フランクフルトモーターショーにおいて、日常的に使えるスポーツカーとして、TTコンセプトクーペを発表した。続く11月の東京モーターショーでは、ロードスター仕様の「TTS」コンセプトカーを初公開している。

2台のショーカーの外観は、戦前のレーシングカーや戦後のアウトウニオンのような丸みを帯びたフォルムを連想させる。インテリアデザインは、“必要なものをできるだけ少なく”が基本方針だ。TTコンセプトは、革新的な自動車デザインの具現化として高く評価された。

アウディTTコンセプト(フランクフルトモーターショー1995)アウディTTコンセプト(フランクフルトモーターショー1995)

●1998年:初代TT

ショーカーが市販車に移行したのは3年後。1998年秋に初代「TTクーペ」が、その1年後に初代「TTロードスター」が発売された。量産車のデザインはショーカーとほとんど変わらず、デザイナーにとっては夢のような車となった。

デザインモチーフは円であり、ルーフ、フロント、リアの円弧は、地面やウエストラインの水平線と対照的だった。インテリアに使用されたアルミニウム素材、特徴的なホイールデザイン、球状のギアシフトノブ、狭い間隔で配置された丸いテールパイプなど、細部に至るまでデザインに配慮されていた。

初代アウディTT初代アウディTT

TTのトランスミッションは、アウディが初めてクイックアズライトニング・デュアルクラッチトランスミッション、いわゆるSトロニックを市販車に採用したものだ。パワートレインは4気筒ターボ、出力は150PS、180PS、225PSの設定。さらに250PS・V6または240PS4気筒ターボを搭載した「TTクワトロスポーツ」が追加された。モデル末期に“小さい”4気筒は、150PSモデルは163PSに、180PSモデルは190PSに強化されていた。

一貫性のあるデザイン言語を持つこのモデルは、今日に至るまで自動車デザインのマイルストーンとされている。そしてオリジナルTTの優雅ななシンプルさは、25年後の現行TTでも見つけることができる。

2代目アウディTT:TT RSプラス2代目アウディTT:TT RSプラス

●2006年:2代目TT

市場で成功したTTは、2006年に2代目にモデルチェンジする。デザインは、アウディのデザインアイデンティティに統合された。パワートレインはターボで、出力は160~211PS、さらに272PSの「TTS」、340PSの「TT RS」がラインナップされた。さらに「TT RSプラス」では360PSを発揮した。

技術的には、アウディスペースフレーム(ASF)による軽量構造、TFSIエンジン、パワフルな5気筒エンジンなどが成功に貢献した。TDIを搭載した最初のスポーツカーでもある。

●2014年:3代目TT

3代目TTは、先代よりもスポーティでダイナミック、そして革新的なモデルとして登場した。2014年発表、2015年発売。デザインで特徴的なのは、すべての世代に共通する、TTのロゴが入った丸いフューエルタンクキャップだ。2023年のラインナップはTT、TTS、TT RS、それぞれにクーペ、ロードスターが設定されている。

3代目アウディTTロードスター:TT RS3代目アウディTTロードスター:TT RS

《高木啓》

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 次期スズキ『ソリオ』は“走り”で逆襲! 新世代HEV採用で2027年以降登場か?
  2. 150万DLでも終了へ…パイオニア「COCCHi」が約3年で幕を閉じる本当の背景
  3. ドア&エアコン付きゴルフカート、国内初の100台規模導入…アコーディア・ゴルフとPGM
  4. 【マツダ CX-80 900km試乗】人馬一体と重厚感は両立するのか?「高級SUV」としての使命とは[後編]
  5. ヤマハモーターエンジニアリング、保育現場の負担を軽減する「電動アシストお散歩カー」開発、9月受注開始へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 自動運転開発の分野で高まるNVIDIAとAWSの存在感、日本メーカーは中国のスピード感に対抗できるのか【AWS オートモーティブ AI イノベーション フォーラム】
  2. KYB、パワースポーツ車両向けEPSを米ポラリス社のオフロードビークルに展開
  3. 電動車は誰が最後まで面倒を見るのか…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光 氏[インタビュー]
  4. 中国サプライヤーが日本市場へ本格攻勢、“長期戦略”と“チャイナスピード”両立する「DESAY SV」次の一手とは
  5. トヨタ・モビリティ基金、欧州水素地域イニシアチブ始動…最大5地域を支援
ランキングをもっと見る