RICOSは12月3日、スズキが同社のAI-CAEソリューション「RICOS Lightning」を導入したと発表した。この導入により、自動車設計における空力シミュレーションの大幅な高速化が実現し、より効率的な設計プロセスの確立を目指す。
自動車の空力性能は燃費向上において重要な指標の一つであり、車両形状に大きく影響される。そのため、実車製造前のデジタル段階で形状を精密に作り込むことが求められる。従来の流体シミュレーションでは1パターンの予測に膨大な計算時間が必要だったが、RICOS Lightningの導入によりこの課題を克服することが期待されている。
RICOS Lightningに搭載されているRICOS独自のAIアルゴリズム「IsoGCN」は、従来のシミュレーションと比べて計算量が大幅に削減される。また、複雑な3次元形状を詳細に把握できる。流体解析、熱解析、構造解析などの手法を組み込んでいるため、新しい製品形状にも対応可能。厳密なメッシング作業が不要となり、シミュレーション専門家以外も使用できる。