日産自動車はNFT(非代替性トークン)を活用した新たなユーザー向けサービス「NISSAN PASSPORT BETA」を発表した。このサービスは、NFTをユーザーIDとして活用する「MEMBERSHIP NFT」を軸に、コミュニティとリワードプログラムという2つのサービスを提供する。
NISSAN IDをNFT化
NFTとはWeb3技術の一つであり、ブロックチェーン技術を用いてデジタルデータの所有権や唯一性を保証する仕組みだ。これにより、デジタルアートや音楽、さらにはサービス利用権などに希少性を付加することが可能となる。今回「NFT」と呼んでいるのは、このNFTの仕組みによって所有者や希少性を保証されたIDとそのIDの存在を現すデジタル画像を指す。
「NISSAN PASSPORT BETA」のMEMBERSHIP NFTは、日産グループの共通会員IDである「NISSAN ID」をNFT化したものであり、デジタル証明書として機能する。これにより、顧客と日産との関係性を可視化し、特別な体験へのアクセスを可能にする、としている。
提供されるNFTは以下の4種類となる。
FUTURISTIC: 未来志向のイノベーター向け
PERFORMANCE: 圧倒的な走行性能を追求する愛好家向け
CLASSIC: 永遠の名車を愛する層に向けたもの
SMART LIFE: スマートなカーライフを追求する層向け
これらのNFTは、各タイプのテーマに応じたデザインが施されており、利用状況に応じてデザインが進化する仕組みとなっている。なお、今回のMEMBERSHIP NFTは5523名に抽選で提供される予定で、この数字は「GO! GO! 日産」のメッセージにちなんだものだ。
Discordの活用とリワードプログラム
コミュニティ運営は、主にチャットツール「Discord」を活用する。Discordは、もともとゲーマー向けに開発されたサービスだが、近年では企業間の連携ツールやファンコミュニティの運営にも広く利用されている。日産はこのプラットフォーム上で、ユーザー同士が交流し、助け合える場を提供するだけでなく、顧客と日産が共創できる場としての利用を目指している。
Discordのコミュニティは誰でも参加可能だが、MEMBERSHIP NFTやNISSAN IDを持つメンバー限定のチャンネルや企画も用意される予定だ。