初心者必見!スピーカー交換の基本と「インナーバッフル」が必要な理由「失敗しない初めてのスピーカー交換」Part5

ワンオフされた「インナーバッフル」を用いてスピーカーが取り付けられた一例(製作ショップ:サウンドクオリティー<千葉県>)。
ワンオフされた「インナーバッフル」を用いてスピーカーが取り付けられた一例(製作ショップ:サウンドクオリティー<千葉県>)。全 3 枚

愛車のサウンドシステムの音質に不満を抱いたら、「スピーカー交換」の実行を検討しよう。当連載では、そのガイドとなる情報を全方位的に公開している。今回からは、「スピーカー」の取り付け作業の中身を説明していく。

取り付け作業の中身を知ると、「スピーカー交換」への不安が和らぐ!?

これまでの記事でも何度か触れてきたように、カー用のスピーカーは売られている状態ではまだ「スピーカー」として半完成品だ。クルマに取り付けて初めて「スピーカー」としての体を成す。つまり取り付け作業は、「スピーカーを作る」という作業に他ならない。

で、その作業の中身を知ると、「スピーカー交換」が一層身近に感じられるはずだ。取り付け費用がかかることに納得がいき、全体の予算感も掴めてくる。

というわけで今回はまず、「ドアスピーカー(ミッドウーファー)」の取り付けには「インナーバッフル」なるモノが必要となることについて説明していく。

さて、「インナーバッフル」とは何なのかというと…。これはつまりは「ドアスピーカー」の土台となるパーツだ。しかし役割はそれにとどまらない。

市販「インナーバッフル」の一例(カロッツェリア・UD-K531)。市販「インナーバッフル」の一例(カロッツェリア・UD-K531)。

「インナーバッフル」を用いると、「スピーカー」の足場が固まり音が良くなる!

「インナーバッフル」が果たす役割は3つある。「スピーカーの足場を固めること」、「ドア内部の鉄板の共振を抑制すること」、「スピーカーを立ち上げること」、これらだ。

それぞれがどういうことなのかを説明していこう。まずは「スピーカーの足場を固めること」について。

というのも「スピーカー」は、磁気回路で生み出された力を振動板に伝えて空気を震わせて音を生み出す。で、その営みにおいては足場が強固である必要がある。もしも足場が軟弱だと、踏ん張りが効かずパワーをロスすることになるからだ。

で、クルマのドア内部は鉄板でできているとはいえ、その鉄板は薄く案外軟弱だ。しかし「インナーバッフル」を用いれば、足場が固まりパワーのロスが減る。結果、情報量の欠落が減り音が良くなる。

市販「インナーバッフル」の一例(カロッツェリア・UD-K621)。市販「インナーバッフル」の一例(カロッツェリア・UD-K621)。

「インナーバッフル」は、ドア内部の鉄板の補強の役割も果たす!

次いで「ドア内部の鉄板の共振を抑制すること」について説明していこう。先述したとおりドア内部の鉄板は薄いので、振動板を動かそうとする力により、そして「スピーカー」の裏側から放たれる音エネルギーにより、いとも簡単に共振する。そして鉄板が共振すると異音が発生し、「スピーカー」の表側から放たれる音を濁す。

でも「インナーバッフル」を用いれば、鉄板を補強する効果が発揮され共振を抑制できる。これによっても音が良くなる。

もう1つ、「スピーカーを立ち上げること」の意味は以下のとおりだ。もしも「スピーカー」を鉄板に直付けすると、「スピーカー」の奥側がドア内部に降りてくる窓ガラスと干渉しやすくなる。でも「インナーバッフル」を用いれば「ドアスピーカー」が内張りパネル側に近づくので、奥側のクリアランスを稼げて窓ガラスと干渉しにくくなるのだ。

今回は以上だ。次回は「インナーバッフル」にはタイプ違いがあることを説明していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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