「マツダの人が見えるブランドを作る」青山に発信拠点をオープン、「MAZDA TRANS AOYAMA」がめざす姿とは

マツダ ICONIC SPも展示されていたMAZDA TRANS AOYAMA
マツダ ICONIC SPも展示されていたMAZDA TRANS AOYAMA全 32 枚

マツダは南青山に、ブランド体感施設「MAZDA TRANS AOYAMA(マツダ トランス アオヤマ)」を、2月6日にオープンする。このMAZDA TRANS AOYAMAは、クルマに限らない幅広いテーマによる期間限定展示や、体験イベント・ワークショップの開催など、気軽に誰でも楽しめるスペースとなっているのが特徴。1階には広島の宮島で創業した伊都岐珈琲(いつきコーヒー)監修のカフェも併設している。

誰でも入りやすい空間にすることで、マツダの顧客やファンだけでなく、これまでマツダと接点がなかった人にも、マツダブランドを体感してもらうといったバックグラウンドがある。施設名の一部になっている「TRANS」には「変える、越える」という意味があり、「前向きに変わる、そのきっかけになる場所でありたい」という意味が込められているとのこと。マツダは「前向きに今日を生きる人の輪を広げる」という目標を掲げ、その実現に向け、マツダに接するすべての人にいきいきする体験を届けたいと謳っている。

MAZDA TRANS AOYAMAの建物外観はガラス張りで中が見えているため、入りやすい雰囲気。MAZDA TRANS AOYAMAの建物外観はガラス張りで中が見えているため、入りやすい雰囲気。

2階にも広々としたカフェスペースがあり、マツダ車の歴史を振り返るミニカー展示や、マツダのクルマのエンブレム展示など、マツダファンにもグッと刺さるインテリアデザインになっているのもポイントだ。そのほかにも、期間限定で、廃棄物アート事業『ACTA+(アクタプラス)によるギャラリー作品の展示や、2月8~9日は「トークセッション、ロードスターとカラーで楽しむ私のスタイル」、2月15~16日は「みんなで創るフラワーアレンジメント」といったイベントの開催も予定されている。

マツダの市販車、コンセプトカー、歴代のマツダ車といった実車の常設展示も行われ、ロードスターの試乗体験もできるとのことなので、マツダフリークにも納得のスペースになっている。

◆MAZDA TRANS AOYAMAは価値や体験を広げる実践の場にしていく

マツダ代表取締役社長兼CEO 毛籠勝弘氏。マツダ代表取締役社長兼CEO 毛籠勝弘氏。

2月4日には、オープンに先がけプレス発表会が行われた。マツダ代表取締役社長兼CEOの毛籠勝弘氏、国内営業本部 主幹の石田陽子氏が登壇し、MAZDA TRANS AOYAMAのねらいや魅力について語った。

毛籠社長は始めに、MAZDA TRANS AOYAMAをオープンするにあたり、南青山から日本全国へマツダのブランドを発信し、日本におけるマツダブランドのプレゼンスを高めていきたいと語った。また施設名称にも使われている「トランス」については、「向こう側へ」とか、「切り替える」といったニュアンスの意味があるとし、来場者がここで過ごす時間、体験を通して、来場した時よりも、「少し前向き」や「ポジティブな気持ち」になってもらいたいという願いを込めていると述べた。

マツダの企業理念でもある、「前向きに今日を生きる人の輪を広げる」の言葉通り、価値や体験を広げる実践の場にしていきたいとも語った。施設内外装については、マツダデザインが監修ということで、デザインチームが総力を上げて、どのような世界観を表現するのかといったことに取り組み、各所に遊び心も入れてデザインしたとのこと。1階には広島県宮島で創業した伊都岐珈琲の協力を得たカフェを出店し、こだわりのスペシャリティーコーヒーや、おいしいスイーツが提供される。

「この場所でマツダブランド、そしてマツダというものを発信していくが、我々のそのブランドの商品あるいはサービスの向こう側には、マツダの人が見える、そんな手触りがあるブランドを作り、共感と信頼のコミュニティを少しずつ広げていきたい」(毛籠社長)

◆ときには意見がぶつかり合うこともあったプロジェクトの進行

MAZDA TRANS AOYAMAのコンセプトMAZDA TRANS AOYAMAのコンセプト

石田氏は元々法人営業を担当されていたとのことで、その頃から大切にしていた思いが、「人そのものがマツダプランドを作る」というものだった。「その思いを持って、ここに訪れるお客様をお迎えしたい」と意気込みを述べた。MAZDA TRANS AOYAMAで目指していることについては以下のように語った。

「MAZDA TRANS AOYAMAは、1年に渡ってチームとともに準備を進めてきた。そしてコンセプトは「FIND YOUR IDEAL」。これは訪れてくださる方々がそれぞれの価値観のもとに自由に楽しんでいただきたいという思いから生まれた。このコンセプトを導き出していく過程においては、自ら手を挙げてこのプロジェクトに参加をしてくれた、おもに国内営業本部やデザイン本部の若いメンバーとともにたくさんの意見を出し合った。幅広いお客様に訪れていただきたい、お気軽に訪れていただきたいという願う一方で、マツダを知っていただきたい、マツダをしっかり体感していただきたいという思いもある。これまでコミュニケーションの軸や中心となるものとしてマツダ車を中心に置いて考えがちだった私どもにとっては、一番議論を重ねたテーマかもしれない。自由な発想や思いを素直に語り合う中で、意見がぶつかり合うこともあった」

◆発信の拠点となるMAZDA TRANS AOYAMA

ポスターにもマツダのこだわりの数字が。右のポスターはぜひ近づいて見てもらいたい。5,7,8といった黒字の数字には……。ポスターにもマツダのこだわりの数字が。右のポスターはぜひ近づいて見てもらいたい。5,7,8といった黒字の数字には……。

MAZDA TRANS AOYAMAでは、様々なことにチャレンジする人たちの作品に触れたり、時にはクリエイティブな活動に挑戦してもらうといった、体験を通じて発見やひらめき、新しい価値観に触れられる体験を創出することにも取り組んでいく。マツダと全国の企業との、前向きな人の輪を広げたいという思いが重なり、ここから新しい発信をしていこうという取り組みも始まっている。

第1弾は、マツダの工場がある山口県にある、廃棄物からアート作品を生み出し、サステナブルな循環型社会の位置付けに挑戦しているACTA+とアーティストとのコラボレーションによる作品を多数展示。今後もチャレンジしている方々や企業とともに共創して、第2弾、第3弾と生き生きとする体験を届けていく。

マツダの印象的な赤が採用されたスイーツや、ホットサンドなども提供される。マツダの印象的な赤が採用されたスイーツや、ホットサンドなども提供される。

MAZDA TRANS AOYAMAの外観はガラス張りで、外と中の境界線をなるべく強調しないようなデザインとなっている。明るく開放的な空間を作り出すことにより、青山という都会にいながらも公園でリラックスしているような感覚になれる。1階のカフェでは、伊都岐珈琲のオリジナルのカフェとドリンクが用意され、遊び心のあるスイーツなども楽しめる。

また、試乗用のロードスターが用意され、青山周辺のコースをオープンカーで楽しむといったこともできる。2階はクリエイターの作品展示があり、またマツダならではのミニカーや車種のエンプルプレートなどの展示といった、古くからマツダを知るお客様にも、まったくマツダを知らないお客様にもマツダを知っていただく導線が作られている。これらをふまえ石田氏は、

「お客様ご自身の感性やペースを大切にしていただき、五感で感じる心地よさ、ふとした発見や気づきから、「面白い」とか「楽しい」といった、少しでも心が明るくなれるような場所になれたらいいなと思っている。」と意気込みを語った。

《関口敬文》

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