スバルは2月7日、2025年3月期第3四半期決算を発表した。累計期間の売上収益は、価格改定および為替変動による増収効果などにより、対前年同期比1.1%の増収となる3兆5363億円。通期連結業績見通しは、円安影響などを織り込み、収益、利益とも上方修正した。
●前年同期比でわずかながらも増収増益
第3四半期連結累計期間(2024年4月1日~2024年12月31日)の売上収益は、3兆5363億円で、前年同期比399億円(1.1%)の増収となった。営業利益は3692億円で18億円(0.5%)の減益、税引前四半期利益は4260億円で98億円(2.4%)の増益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は3174億円で185億円(6.2%)の増益だった。
セグメント別では、自動車事業の売上収益は1.0%増の3兆4563億0800万円、営業利益は0.6%増の3692億6900万円、航空宇宙事業の売上収益は7.1%増の761億3500万円、営業利益は52億0600万円の赤字だった。
●インセンティブの増加および販売台数の減少でも増収
連結売上収益は、海外の厳しい競争環境によるインセンティブ(販売奨励金)の増加および販売台数の減少などがあったものの、価格改定や為替変動による増収効果などにより、前年同期比1.1%増の3兆5363億円となった。
国内連結販売は、『フォレスター』などの登録車販売を中心に堅調に推移し、台数は前年同期比0.5%増の7万5000台となった。海外は、主要市場の米国で29か月連続(2025年1月末時点で30か月連続)で前年超えを達成したものの、足元の販売状況や在庫台数などを踏まえた出荷調整により、4.3%減の63万2000台となった。グローバル販売台数は3.8%減の70万7000台だった。

国内生産は6.1%減の46万1000台、海外生産は0.6%減の26万4000台、グローバル生産は4.2%減の72万5000台となった。なお12月から『クロストレック』ストロングハイブリッドの販売が本格的に始まり、業績への貢献が期待される。
●フォレスターやクロストレックの価格改定が増益に寄与
連結損益についても、売上収益と同様の理由で、営業利益は前年同期比0.5%減の3692億円、税引前四半期利益は2.4%増の4260億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同6.2%増の3174億円となった。
増減要因は以下の通り。為替影響が1126億円の増益。販売面では、フォレスターやクロストレックの販売価格改定が増益に寄与したいっぽう、販売台数の減少およびインセンティブの増加により、725億円減となった。米国市場向けインセンティブは1台当たり950ドル増の2000ドルとなり、グローバル全体でのインセンティブ総額は668億円の増加となった。
