アイシン、小型で静かな「可搬型FC発電機」を開発…FCEVの技術を応用

アイシンの「可搬型FC発電機」
アイシンの「可搬型FC発電機」全 1 枚

アイシンは、小型で静粛性の高い「可搬型FC発電機」を新たに開発したと発表した。この新型発電機は、燃料電池車(FCEV)や家庭用燃料電池「エネファーム」の技術を応用したもので、水素を燃料として使用する。

開発された可搬型FC発電機は、水素カートリッジなどから供給された水素を燃料とし、燃料電池で発電を行う。燃料電池による発電は、電気を生成する過程で二酸化炭素や環境汚染物質を排出しないため、カーボンニュートラル社会の実現や地球環境保全に貢献することが期待されている。

アイシンによると、この新型発電機は独自の制御技術によって高効率・高出力な発電と優れた静音性を実現している。さらに、搭載レイアウトの最適化により小型・軽量化も達成した。これらの特徴により、土木・建設現場やレジャー、災害時のほか、屋内イベントやオフィスなど、幅広い利用シーンに適したモデルとなっている。

新型発電機のコンセプトモデルは、2月19日から21日まで東京ビッグサイトで開催される「H2&FC EXPO(水素・燃料電池展)」のトヨタグループブースに出展される予定だ。

アイシンは今後、実証実験やさらなる技術開発を進め、実用化に向けた性能と利便性の向上に取り組む。同社は、将来の水素社会に向けて幅広く技術開発を加速させ、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく方針だ。

この新型FC発電機の開発は、自動車産業の技術が他分野へ応用される好例といえる。環境に配慮したエネルギー源の需要が高まる中での、アイシンの取り組みだ。

《森脇稔》

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