就職や入学、引越しなど生活サイクルが大きく変わる春は自転車市場にとっての商戦機。魅力的な新型車が登場し、ショッピングモールの自転車コーナーでもアピール合戦が繰り広げられる。電動アシスト自転車のパイオニアとして、30年にわたり『PASシリーズ』を販売するヤマハ発動機も2025年モデルを続々発表。今回はその中から、新生活を迎える親と子向けの「子ども乗せモデル」と「通学用モデル」合計8車種をピックアップ。
ヤマハのPASシリーズは、登坂時などの高回転ペダリング時でも快適な乗り心地(アシストフィーリング)と、状況に合わせて自動でアシスト力を制御する「スマートパワーモード」の搭載などが特徴。新型大容量バッテリー&充電器は軽量かつコンパクトさが特徴で、充電器は玄関などの狭いスペースでも充電可能。使用しない時は立てて置くことで設置面積を半分以下にでき、収納スペースにも配慮しているのが嬉しいポイント。
今回紹介するのは子ども乗せモデルが、『PAS babby』『PAS kiss』『PAS Crew』『PAS Babby un』の4車種、通学用モデルが『PAS ULU』『PAS RIN』『PAS Ami』『PAS CITY-SP5』の4車種。
◆前に乗せる?後ろに乗せる?小径子ども乗せ『PAS babby』『PAS kiss』

「PAS babby(パス・バビー)」と「PAS kiss(パス・キッス)」は幼児2人同乗基準に適合した20型小径子ども乗せ電動アシスト自転車で、「日常に冒険のスパイスを」をコンセプトに開発された。子育てを積極的に協力して行う夫婦をターゲットに、ママもパパも使いやすく、週末に出かけたくなるようなデザインに仕上げている。
主な変更点は、ママ・パパ両方の使いやすさにこだわったコンパクトな新フレーム設計、走行中や押し歩き時の安定性を考えた車体の低重心化、サドルなど夫婦で共用しやすい自転車部品の採用など。ドライブユニット周辺のレイアウト変更により、ペダルを漕いだ時のチャイルドシートやハンドルとの距離にゆとりを持たせた。
スタンドは体に近い位置で踏み込めるよう形状を変更し、小柄なママでも軽い力で簡単にスタンドがけが可能になった。サドルは日本人の体型データをもとに97.5%の体型をカバーできる設計を採用。クイックレバーで高さ調整も容易になった。また制動力向上のため、前輪にVブレーキ、後輪に大型フィン付きローラーブレーキを採用している。

「PAS babby」と「PAS kiss」の大きな違いは、「前子ども乗せ」タイプか「後ろ子ども乗せ」タイプかだ。
「PAS babby」は、オシャレなスタイリングが特徴の後ろ子ども乗せモデル。新型リアチャイルドシート「ハグシートプラス」を搭載し、日常での使いやすさや快適性を向上させた。カラーリングは「マットマーガレットイエロー」をはじめ全6種類用意されている。
「PAS kiss」は、ママ・パパの安心感、使いやすさ、快適性にこだわった前子ども乗せモデル。新型フロントチャイルドシート「コクーンルームプラス」を搭載し、より使いやすくアップデートされた。カラーリングは「マットエクリュ」をはじめ全4種類ある。
メーカー希望小売価格はPAS babbyが18万4000円、PAS kissが18万7000円(いずれも税込)。
◆子ども乗せ卒業後も使える、24型子乗せモデル『PAS Crew』

「PAS Crew(パス・クルー)」は、幼児2人同乗基準に適合した24型の子ども乗せ電動アシスト自転車。
子ども乗せ卒業後もチャイルドシートを外して長く使えるスタイリッシュなデザインが特徴。のびやかで快適な乗り心地と状況に合わせて自動でアシスト力を制御する「スマートパワーモード」を搭載。PASシリーズ最上位のアシスト力を備え、子どもや荷物を載せた状態での発進から坂道走行まで優れた性能を発揮する。
2025年モデルでは、日常での使いやすさと快適性を向上させた新型リヤチャイルドシート「ハグシートプラス」を搭載している。この新型シートは、従来モデルの特徴である子どもの頭部を270度包み込むヘッドレストはそのままに、乗せ降ろし時の使いやすさを改善している。

具体的には、子どもを通すスペースを広く確保できる「開閉式ハンドルバー」を新たに採用。また、座面のクッション性を向上させ、子どもがより快適に座れるようになった。シートのカラーリングも、従来のブラック1色から、車体とのコーディネートを考慮したブラックとホワイトの2色展開になった。
車体のカラーリングは、街中やアウトドアのシーンにも自然に馴染む「マットカーキグリーン」、カジュアルな印象の「マカロンラテ」に加え、上質感があり落ち着いた印象の「マットブラック」を新たに設定し、全3色のラインアップとなった。
メーカー希望小売価格は19万8000円(税込)。
◆ライフスタイルの変化に合わせてカスタマイズ『PAS Babby un』

「PAS Babby un」は、子どもの成長に合わせて前後にチャイルドシートを装着可能な、幼児2人同乗基準適合車。好みのチャイルドシートを取り付け可能で、ライフスタイルの変化に合わせてカスタマイズできるのが特徴。
乗り降りのしやすさに配慮し、子ども2人同乗を前提とした頑丈なフレーム設計で、低床U型フレーム採用でまたぎやすく、ワイヤーが内蔵されていることで見た目がすっきりスタイリッシュなデザインとしている。リヤチャイルドシート装着時に、子どもの足を守る「大型ドレスガード」と「チェーンガード」も装備。
耐久性に優れたリヤキャリアには、チャイルドシートだけでなくバスケットなどを装着可能。用途に合わせてカスタマイズすることができるため、チャイルドシートが必要なくなったあとでも活躍することができる。
カラーリングは「マットグレイッシュベージュ」と「マットブラック」の2色。
メーカー希望小売価格は16万9400円。
◆気張らずに使えるファッショナブルな通学用『PAS ULU』

「PAS ULU(パス・ウル)」は、「気張らずに使えるファッショナブルでタフなモデル」をコンセプトに、通学用に使用し、見た目だけでなく機能も求める高校生をターゲットとして開発された新型車。男女共に使えるスタイリッシュなデザインでありながら、通学時の毎日の使用や、長距離の利用にも最適で実用的な機能を兼ね備えた。
主な特徴は、タフな印象を与える新型骨太フレーム、荷物が飛び出しにくい形状で、重い荷物も入れられるワイヤーバスケット(耐荷重5kg)、幅広で荷物が置きやすいULU専用のリヤキャリアなど学生の使用シーンに適したモデルとなっている。
また、大型フィン付きリヤローラーブレーキを搭載。大型の放熱用フィンが作動することで、長い下り坂でもブレーキの制動性が低下しにくいのも特徴だ。

カラーラインアップは、フェンダーやキャリアなどの部品類をマットブラックに塗り分けることで、カジュアルでありながらタフな印象を与える「マットカーキグリーン」、落ち着いた印象にさりげないアクセントを加えた「マットダスティダークブルー」、洗練されたエレガントな印象の「マットエクリュ」、どんな服装にも合わせやすいスタンダードカラーの「マットブラック2」の全4色。
発売は2025年3月21日で、メーカー希望小売価格は15万5000円(税込)。
◆シンプルでかっこいい『PAS RIN』と、実用かわいい『PAS Ami』

「PAS RIN(パス・リン)」と「PAS Ami(パス・アミ)」は通学向け電動アシスト自転車。
両モデルは、登坂時などの高回転ペダリング時でものびやかで快適な乗り心地を実現する「スマートパワーモード」を搭載。また、長距離通学にも対応する大容量バッテリー(15.8Ah)や大型バスケットなど、通学向けの装備を充実させているのがポイント。
「PAS RIN」は、シンプルでかっこいい通学車をコンセプトに、ストレート基調のフレームを採用したスポーティでユニセックスなデザインが特徴。2025年モデルでは、新たに「マットカーキグリーン」「パウダーブルー」「マットライトグレー」の3色を追加し、全5色のラインアップとなった。

「PAS Ami」はかわいいと実用性を両立した通学車をコンセプトにした女性向けモデル。2025年モデルでは、現代の高校生のニーズに合わせてナチュラルなデザインを取り入れ、サドルとグリップを深みのあるダークブラウンに変更、新色として可憐な印象の「マットソフトラベンダー」を追加した。
メーカー希望小売価格はPAS RINが14万8500円、PAS Amiが15万2900円(税込)。
◆シンプル&便利な機能が充実『PAS CITY-SP5』

「PAS CITY-SP5」は、通学・通勤向けの27型電動アシスト自転車で、長距離走行や荷物の多い通学・通勤シーンに適した機能が充実。主な特徴として、登坂時などの高回転ペダリング時でものびやかで快適な乗り心地を実現するアシストフィーリングが挙げられる。
また、状況に合わせて自動でアシスト力を制御する「スマートパワーモード」を搭載。27型リムと太めのタイヤの組み合わせ、内装5段変速などにより快適な走行性を実現している。
長距離走行にも対応する大容量バッテリーを採用し、実用性も考慮されている。大型バスケット(約25L)、ステンレス製リヤキャリヤ、両立スタンドなどの装備も充実しており、日常的な使用に便利な仕様となっている。
2025年モデルでは、新たに2色のカラーリングが追加。知性的な印象を与える「マットインディゴ」と、カジュアルな印象でどんな服装とも合わせやすい「マットオリーブ」が新色として登場し、全3色のラインアップとなった。
メーカー希望小売価格は15万5000円(税込)。
