スズキ社長「お客様の本当に必要とするものをスズキらしいやり方で開発」…2030年度に売上収益8兆円

新中期経営計画を説明するスズキの鈴木俊宏社長
新中期経営計画を説明するスズキの鈴木俊宏社長全 8 枚

スズキは2月20日、新中期経営計画「By Your Side」(2025~2030年度)を発表した。2031年3月期に売上収益8兆円、営業利益8000億円、営業利益率10.0%、ROE(自己資本収益率)を目指す。併せて30年代前半に営業利益率10%以上、ROE15%以上という目標も掲げた。


●足場固めはできた

「2021年に現中計を発表し、昨年度、その経営目標値を前倒しで達成した。これにより、成長への足場固めはできたと考え、スズキを取り巻く事業環境が大きく変化していること、まだまだできること、すべきことがあることから、今回、新中計を策定することにした」と鈴木俊宏社長は話す。

24年3月期の売上収益は5兆3575億円、営業利益は4938億円、営業利益率は9.2%、ROEは12.6%だった。25年3月期の業績予想についても、売上収益5兆7000億円、営業利益5900億円と4期連続の増収、3期連続の増益を見込む。経営に苦しむ自動車メーカーが少なくないなか、スズキは快進撃を続けいる。

●日産と10万台差

国内の販売台数ではトヨタ自動車に次ぐ2位に位置し、2024年のグローバル販売台数では9位で、8位の日産自動車との差は10万台ほど。そして7位のホンダとは50万台弱。2025年には間違いなく日産を抜くと見られ、7位のホンダを射程にとらえそうだ。スズキはいま最も元気のある自動車メーカーと言っていいかもしれない。

そんなスズキが31年3月期の売上収益を24年3月期比で約49%増となる8兆円、営業利益を約62%増の8000億円と倍増を目指すわけだが、これまでの勢いを見ていると達成の可能性が高い。

●モビリティにまだ手が届かない10億人

主力の四輪事業では、2031年3月期に420万台の販売(24年3月比104万台増)、7000億円の営業利益を見込む。このうち主力市場のインドでは254万台(同75万台増)、市場シェア50%(同41.6%)を目指す。「商品ラインアップ拡充など、これまでの強みをさらに強化するとともに、事業領域を拡大し、モビリティにまだまだ手が届かない10億人にもアプローチしていく」と鈴木社長は説明する。

さらにインドを輸出拠点として拡大させるために、年400万台の生産体制を構築する。ただ。何が何でも2030年に400万台を達成するというのではなく、市場の状況を見ながら適切なタイミングで実施していくという。


《山田清志》

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