【ホンダ Eクラッチ vs ヤマハ Y-AMT】クラッチ操作不要の『CB650R Eクラッチ』はナナハンCB乗りにどう映る?[前編]

丸山浩(左)とまあさ(右)がホンダ Eクラッチとヤマハ Y-AMTの魅力を試乗&解説
丸山浩(左)とまあさ(右)がホンダ Eクラッチとヤマハ Y-AMTの魅力を試乗&解説全 35 枚

デリバリーが開始されたホンダの『CB650R Eクラッチ』とヤマハの『MT-09 Y-AMT』。どちらもクラッチ操作を必要としない変速を可能とした新技術で、それぞれが目指すバイクの走る楽しさを異なるアプローチで実現したものだ。

ホンダ『CB650R Eクラッチ』とヤマハ『MT-09 Y-AMT』

今回はその注目の2台をMOTOR STATION TVのプロレーサー丸山浩氏とチャレンジ女子アナ7期生の本川まあさ氏こと“まあさ”がインプレッション。今回から3回に分けて、2つのテクノロジーの特徴と違いを解説していく。

前編となる今回は、ホンダの「Eクラッチ」編だ。『CB650R Eクラッチ』への試乗を通じて、Eクラッチの魅力にせまる。

ホンダ CB650R E-Clutchホンダ CB650R E-Clutch

Eクラッチはホンダが開発した二輪初の技術で、マニュアルトランスミッション(MT)車ながらクラッチレバー操作なしシフトペダルでの変速が可能となり、「操る楽しさ」を求める幅広いライダーにワンランク上の走りを提供するというもの。

ホンダは大型バイク向けにデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)を提供しているが、DCTが自動変速システムなのに対し、Eクラッチはあくまでクラッチ操作のみをシステム側が担うものであることがポイントだ。

ヤマハのY-AMTとは異なりクラッチレバーそのものは従来と変わらず、通常のMTと同じようにライダーがクラッチを操作して変速をすることができるのもEクラッチの特徴となっている。

◆「CB750Four」オーナーの目にはどう映る?

丸山浩(左)、まあさ(右)とホンダ CB650R E-Clutch丸山浩(左)、まあさ(右)とホンダ CB650R E-Clutch

丸山:まずは「CB650R」。このバイクは639cc並列4気筒のネイキッドで、昨年モデルチェンジしてスタイル変更とEクラッチの初採用を行ったんだ。まあさは中型のクルーザーから乗り始めて今は『CB750Four』のK6に乗ってるという、なかなかシブいバイク遍歴なんだけど、この「CB650R」はどう目に映った?

まあさ:私の中で“CB”って、とことこゆったり乗りながらちょっと攻めたりする走りもできるのかなっていうバイクだったんですよ。それこそ400や750で“CB=ザ・教習所バイク”ってイメージも大きかったですし。だけど、この「CB650R」に乗って思ったのはCBRの皮をかぶったCBみたいな、どっちかと言うとスポーツ性の高いコーナーを攻めたくなったり速度を出したくなるバイクだと思いました。CBって言ってたのに全然違うと感じたんです。

ホンダ CB650R E-Clutchホンダ CB650R E-Clutch

丸山:このバイクはヨーロッパなど世界市場を見据えたモデルだから、たしかに「CB750Four」や『CB1300SF』、『CB1100』といった如何にも日本的な“CB”像とは、ちょっと雰囲気が違うよね。

まあさ:あっ!でも丸い1個のライトが顔の真ん中にあるのは、ちゃんとCBらしさが受け継がれてていいなって思ったかも。あと外観に関してはエンジンも印象的でした。初見で見た時にカムシャフトとクランクシャフトのところの丸い部分を結んだ雰囲気がスターウォーズのC3POに見えたんですよ。そんなところにもちょっと近未来な乗り物って感じを受けたかなあ。

◆CBらしいドドドドッていう感じと、攻めやすいスポーティなライポジ

ホンダ CB650R E-Clutchホンダ CB650R E-Clutch

まあさ:愛車の「CB750Four」と4気筒という形式は一緒なんですけど「CB650R」はすごく高回転の伸びがいいエンジンで、やっぱり時代の差は大きいですね。振動は下の回転で割と感じられるんですけど、すごく細やかな揺れの振動でそんな心地悪くはない。それでいてCBらしいドドドドッていう感じのエンジン音も忘れていなくて、ちゃんと楽しませてくれちゃう。なので、かなり古いCB750Fourから一気に新しい最先端のものに乗らせてもらったって感じでした。

丸山:それこそ跨った瞬間から違うもんね。

ホンダ CB650R E-Clutchホンダ CB650R E-Clutch

まあさ:「CB650R」の全長は2120mmあるのでそこそこ大きいんですけど、跨ってみると本当にすごくコンパクトな作りになってるんですよ。なおかつ車重が200kgを超えてるんですけどコーナーを曲がることに対してその車重を感じさせない。タンクも15リットル入る大きさなのにニーグリップ部分がギューッと絞り込まれてるのでそんなに入りそうに見えない。

コンパクトなゆえにそれこそワインディングのコーナーも軽やかに曲がりやすく感じられるんです。ライポジがこれまたスポーティで、そこも私のCB像と大きく違ったところでした。ハンドルは完全な一直線ではないですけど絞り角っていうのが本当にほぼ無く、タレ角もほぼ無い。なので割と攻める勢いのある体勢に自然となっていくんです。そこもスポーツ性の高さを強く感じさせた部分なのかも。

◆そして注目のEクラッチは?

ホンダ CB650R E-Clutchホンダ CB650R E-Clutch

丸山:注目のEクラッチはどうだった?

まあさ:Eクラッチの性能は本当にすごく考えられて作られてるという印象でした。それに免許取り立ての超初心者に心強いアイテムになっていると思いましたね。私が初めてバイクを買ったのは教習所を卒業して1~2か月空いてからだったんです。で、走り出そうとすると超初心者だけにすっかり感覚を忘れているからエンストしますよね、それこそもう何回もエンストしちゃいました(笑)。

でも、Eクラッチだとそういうことが一切無いので必要以上な緊張はせずに楽しく乗ることができちゃう。これは助かります。私はエンストしないようになるまで苦労したのになあ。

ホンダ CB650R E-Clutchホンダ CB650R E-Clutch

丸山:Eクラッチは半クラッチの自動制御がとにかく秀逸なんだよね。それこそ何年も何十年もバイクに乗り続けてきたベテランが唸るほど上手な半クラッチを見せてくれる。これには流石に僕も感服したよ。じゃあ、1回目のまとめとして、まあさとしてはこのCB650Rをどういった使い方で楽しみたい?

まあさ:私は普段そんなにスポーツ性の高いバイクを求めてるタイプではないんですけど、このCBだと街中でトコトコ乗っていくよりもアクセルを開けた時の方がすごく楽しく乗れたので、街中ってよりも田舎に向けて長距離を走っていく方に乗っていきたいかな。

ホンダ CB650R E-Clutchホンダ CB650R E-Clutch

ワインディングは寝かせなくても曲がってくれるし、寝かしたらそれこそもっと曲がって攻める乗り方もできるんじゃないかって思うと、峠にも行きたくさせてくれますね。だからって街中が向いてないってわけじゃないですよ。最小回転半径ぐらいの小回りも一速でグルグル回ってみたんですが、身体に密着してくれるようなライポジとEクラッチも超極低速でもエンストせずに粘ってくれるのでとても走りやすかったです。

だから、教習所を卒業したばかりの人からベテランの人まで、古いCBよりも新しいCBの方がいいかな、どちらかというとちょっとスポーツ性の高い方がいいかなと思っている人を幅広くカバーしてくれるマシンだと思いますね。

丸山:では次回はヤマハのMT-09 Y-AMTに乗ってみよう。(「中編・「AT免許」で3気筒スポーツを楽しめるという魅力!『MT-09 Y-AMT』にはMT派も納得?」に続く)

ヤマハ MT-09 Y-AMT(左)とホンダ CB650R E-Clutch(右)ヤマハ MT-09 Y-AMT(左)とホンダ CB650R E-Clutch(右)

丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー
1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

本川まあさ|愛称:まあさ
MOTOR STATION TVのチャレンジ女子アナ7期生。アナウンサーをしながら普通2輪免許から、大型2輪にチャレンジ。現在は、叔父から受け継いだCB750Fourをレストアしながら乗っています。

《丸山浩》

丸山浩

丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー 1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

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